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異世界無限空想生活?  作者: 桜華
13/50

13:力を使い果たした響・・・?

 身体に力が入らないや。ああ、これがさっきエナジー様とフレイヤ様が言っていたヤツか・・・はははっ、力が入らないや。

 響はアクアに声を掛けたが、足に力が入らずアクア達を抱いたまま後方に倒れた。

 そう先程エナジー様とフレイヤ様から言われたように、(ヒビキ)は気力を使いきり力が抜けて立てなくなってしまったのである。


「えっ、ヒビキ?どうしたの・・・ねぇ、ヒビキ、ヒビキ・・・」

 ああ、アクアの声が聞けるが・・・駄目だ力が入らないし・・・眠い。


「えっ、ヒビキどうしたの?・・・あっ、シーちゃん!えっ、えっ、どういうことなの?シーちゃん元気になったなの!」

『くぅぅぅっ・・・』

「良かったの。良かったの。ヒビキのおかげなの。ねえ、ヒビキ!・・・ん、ヒビキ?」

 ははっ、よかった。これであのアクアの悲しい顔を見なくて済むし、あの可愛い笑顔が起きたら見れるや・・・。


「おやすみ・・・アクア・・・Zzzz」

 (ヒビキ)は何故か凄い睡魔に襲われていた。ただ、眠りに落ちる前にアクアの喜ぶ声と、恐らく水竜(アクアドラゴン)であるシーちゃんの声を聞き笑顔のまま眠りに落ちたのであった。


☆☆☆☆☆ー 少し時間はさかのぼり、水の精であるアクアの視点で・・・・。 -☆☆☆☆☆


 ちょうど(ヒビキ)の腕が光輝く前より、ちょっとだけ前にさかのぼりアクアがシーちゃんである水竜(アクアドラゴン)を探しに、世界樹(ユグドラシル)の根の部分に出来た穴の中に入った時である。


「シーちゃん?ここにいるの?ねぇ、どこなの・・・・・あっ、シーちゃん?えっ、えっ、何でこんなにちっちゃくなってるの?あっ、ああ、シーちゃん、シーちゃんが!」

『アクア、落ち着きなさい。早くその子をヒビキの元に連れて行きなさい。必ずヒビキならどうにかしてくれるはずですから、ただし強要してはいけませんよ。ヒビキはまだ力を制御でき無いかもしれませんから・・・』

 混乱するアクアを、世界樹(ユグドラシル)の精であるマナが心に話し掛け落ち着かせ、アクアに急いで(ヒビキ)の元に行くように指示した。


「うん、解ったなの。母様!でも、このままじゃ、アクアの友達・・・誰もいなくなっちゃうよ。母様、そんなの嫌だよ。もう、家族が居なくなるのも、友達が居なくなるのも」

『ごめんなさいアクア。私にもっと力があればこんな事には・・・いえ、そうねそんな事言ってはいけませんね。アクア!早く貴方の友達を助けてもらいなさい。後は貴方にまかせますから。さあ、早く、手遅れになる前に』

「うん、なの。解ったの・・・」

 アクアが急いで水竜(アクアドラゴン)である小さな首長竜の、その子を抱えて穴から出て行った。


 その出た先には(ヒビキ)が、心配そうにアクアが入って行った穴の中を覗きながら、アクアの事を穴の前で待っていたのである。


 (ヒビキ)は心配そうにアクアを見ながら、アクアの抱いていた水竜(アクアドラゴン)であるシーちゃんを見て何かを感じ取ったみたいだけど、アクアには良く解らなかった。それに何故かシーちゃんを抱えてる手が痺れて感覚が無くなってきていたのである。それに何故か嫌な感じが身体の中に入ってきていたのであった。


 それは恐らく水竜(アクアドラゴン)の背中のところに出来た黒い斑点みたいな痣から出ている、黒い靄のようなモノがアクアにも影響を与えていたのだろうが、それに気付く者はいなかった。事実それはこの森を侵食していた瘴気そのものであったのである。


 しかし、アクアは自分の身体が、その黒い靄である瘴気に浸食されて苦しいのを我慢して、(ヒビキ)に助けを求めたのであった。

「ヒビキ!シーちゃんが、シーちゃんがちっこくなって元気が無いの。このままじゃアクアの友達どんどん・・・ヒック、居なくなっちゃうの。ヒック、うううっ、うわーん・・・」


 アクアはこの時、初めて心の底から助けを求めて泣いたのである。今迄にも色々なアクアの仲間達が姿を消していったが、それは仕方が無いと思っていた。


 それに世界樹(ユグドラシル)であるマナが、常にアクアの側にいたのでアクアも心の底から泣く事も無かった。それにこれはもう、しかたが無いと諦めていた感じもあったのである。


 しかし、(ヒビキ)がここに来る少し前から、世界樹(ユグドラシル)であるマナの元気も無くなりだし、それに近くにいた同じ存在の家族が、次々と何故か居なくなっていたので、ついにアクアもその事を悟り寂しいけど、世界樹(ユグドラシル)であるマナを困らせたくなかったので泣くのを我慢していた。


 それはとても心優しいアクアが、世界樹(ユグドラシル)であるマナを、母様と慕う存在を悲しませたくないのと、いつか絶対に助かると希望を思っていたからであった。


 そこに不思議な感じの少年(ヒビキ)がどこからともなくやって来た事により、何かを感じ取ってそれが恐らく自分が求めた希望だと思っていた。それに何故か(ヒビキ)がここに来た事により世界樹(ユグドラシル)であるマナも、少しであるが元気を取り戻していたのである。


 それでアクアもその不思議な存在である少年(ヒビキ)に、安らぎを感じ懐いたのであった。

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