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天体観測計 1  作者: 時雨
1/1

「生まれ変わったら、天体望遠鏡になりたいなって」


暑い夏休みを目前に控えた、ある日のこと。


その日、日直だった僕は、先生に頼まれたノートを理科準備室へと持って行った。

ノートを教卓の上に置くと、隣に置いてある天体望遠鏡が目にとまった。



___ すごく古い。今にも壊れそう・・・。



そう呟いて、まじまじと見つめた。

白い陶器製のフォルムに人影が映った。



__あれ?・・・誰だろう。



振り向くと、そこには見知らぬ男子が天体望遠鏡を見つめて佇んでいた。



ふわふわとした黒髪に、少し日に焼けた白い肌、指定の征服とクリーム色のベスト

片手に難しげな分厚い本__


いかにも【文系男子】といった感じ。



「天体観測、好きなの?」



思わず声をかけてしまった。

自分でも、なぜ声をかけたのか良くわからない。

どうしてだろう?・・・極度の人見知りで学校では先生としか話せないはずなのに。



「いつも思うんだ。

生まれ変わるなら、この天体望遠鏡になりたいなって」



そういうと、こちらを見ずに微笑んだ。

彼も人見知りなのだろうか?

でも、儚げな雰囲気を纏うその横顔は、どこか懐かしい感じがした。



「__どうして?」



彼は少し間を置いてから



「ずっと前に、ある人と約束をしたんだ。

この天体望遠鏡で、いつか綺麗な星空を一緒にみようって」



そう言って、また静かに微笑んだ。


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