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006

「結論から先に言うとあの巨神は諦めたほうがいい」


 現場に着き、巨神を確認したワタルはナオフミにそう言った。


「そんな、どうしてです!」

「あの巨神『ビーム・テンペスト』は宇宙用のうえ、壊れている可能性が高いからだ」


 ワタル達が乗ってきた開拓移民船は宇宙専用の宇宙船である。つまり重力下での運用を考えて作られていないのである。


 本来は衛星軌道上から物資を下ろして自身は大気圏突入はしない。その護衛の為に宇宙での戦闘のみを考慮して作られたのがビーム・テンペストだ。その名の通りビームを嵐のように撃ち出す事が可能なたい巨神用の迎撃機である。


「つまり、地上では使えない。破壊兵器だから藩の発展とかには使えない。さらにサクヤのような巨神は無人で地上に降下できるように作られているから30年前無傷で着地できた。でもあの巨神は宇宙用で地上への着地は想定していない。だから頭から崖に突っ込んでしまっている。ついでに雨風にさらされる事も想定していないからこの30年で劣化してしまっているはずだ。頑丈に出来ているから動くかもしれないけど使い物にはならない」

「どうしてそんな事が分かるのですか」


 ワタルがそう説明するとナオフミは食い下がった。


「それはワタルが天上人だからよ」


 見かねたトウカがそう言った。


「天上人?こんな若い天上人がいるのですか?」

「最近まで天で眠っていて目覚めたのは最近だからね」

「もしかしてワタル様は『天上の皇子』様ですか!」


 説明を聞いて納得したナオフミは興奮しながら聞いてきた。


「まさか、聞いているイメージと全然違うでしょ」


 ワタルが答える前にトウカが笑いながらそう言った。


「(『天上の皇子』ね。実際の人物と噂になっている人物像は全然違うんだけどな)」


 それを聞いたワタルは複雑そうな顔をした。

 

「それで、結局巨神は諦めるのか」


 今までの会話を黙って聞いてきたフクトミが話に割り込んできた。


「言っておくが上様より他の天上人の邪魔をするなと言われているから拘束はしない。しかし我が忠義を誓うはゴウラ様のみ。天上人だからと言って我に命令できると思うな」

「(へえ、ただのいばりん坊だと思っていたけど忠誠心はちゃんと有るんだ)ちょっと見直した」

「?」


 訳も分からず見直されて不思議そうな顔をするフクトミにワタルは結論を告げた。


「引き上げは出来る。しかし使いもにならない巨神をお金を払ってまで引き上げるかどうか決めれる人物がここには居ない。そっちも巨神が戦闘用なら対応も変わるだろ。一度戻って話し合ったほうがいい」

「なるほど、分かった。しかしこれが戦闘用ね。ひょろひょろしてて本当に戦えるのか?」


 ビーム・テンペストはサクヤやフクトミの巨神と比べるとスリムだ。フクトミがそう思っても不思議ではない。


『戦闘用の機体の接近を確認!友軍反応なし、これより迎撃を開始します』


 その時だった。突然ビーム・テンペストが動き出したのは。ビーム・テンペストが動き出したのを見てワタルは叫んだ。


「危ない下がれ!」

 

 フクトミはゴウラに選ばれた巨神使いである。とっさに巨神を後ろに下がらせた。その数秒後、フクトミがいた地面は下からビームが撃たれた事で消滅した。ビームはそのまま空へ昇って行った。


「おい、何が起きた」

「最悪だ。戦闘用の巨神が近づいた事で自動迎撃システムが起動した。しかもあちこち壊れている所為で機体認識出来なくて緊急停止コードも受け付けない」

「分かりやすく説明しろ」

「見境無く暴れて止まらない」


 ワラルは動きだしたビーム・テンペストをそう評した。


「あの巨神は無人ですよね。どうして動いているんですか?」

「戦闘用はAI、心が有る。人が乗らなくてもある程度は自動で動く。そしてそこが壊れているから暴走しているんだ」

『迎撃、迎撃、げいげぎぎぎぎ』


 同じ言葉を繰り貸すビーム・テンペストのAIは完全壊れていた。ビーム・テンペストは埋まっていた頭を引き抜くと割れ目から出るために昇ってきた。


「不味いな、自力で這い上がろうとしている。今のうちに皆逃げろ。本来なら生身の人間は攻撃しないはずだが壊れている以上何をするか分からない。フクトミもだ、その巨神ではビームに耐えられないし避けれない」

「断る、あの巨神を放置すれば被害が出る。国を守る武士として逃げるわけには行かない」


 そう言って一歩も引く気を見せなかった。


「なるほど、ゴウラ好みの漢だな。トウカ、ナオフミを連れて逃げろ」

「逃げろってワタルは残る気なの!」


 自分を置いて逃げろというワタルにトウカは怒った。


「ビーム・テンペスト放って置くとその内爆発して周囲に被害が出る。だからその前に破壊する」

「破壊ってどうやって?」


 トウカに聞かれてワタルはデバイスを取り出した。


「それって」

「キリュウ」


 トウカはそのデバイスが父親が守護獣を呼び出すものと同じものだと理解した。そしてワタルは自分の守護獣を呼び出した。


 サクヤの目の前に転送され現れた守護獣は4速歩行型の銀色のドラゴンだった。


「ビーム・テンペストのビームをくらったらサクヤは一瞬で蒸発する。だから安全な所まで逃げろ」

「でも」

「約束しただろ、トウカは俺が守ると」


 そう言うとワタルはサクヤのコクピットのハッチを開けて飛び出した。するとキリュウの胸から光がでてワタルはヒカリに導かれてキリュウの胸の中に入って言った。


「ビーム・テンペストの武器を全部潰した後上空で爆発させる。フクトミ、残るなら手伝え」

「我に命令するな!」


 トウカが逃げていくのを確認しつつワタルはキリュウを駆り這い上がってくるビーム・テンペストを向かえ討つべく身構えるのだった。

 ようやく主役機が登場です。人気が無いのは分かってますが主役機が活躍する所までは書きたいので頑張りました。

 …実はリアルロボット物ではなくてスーパーロボット物でした。

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