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003

 ワタルがトウカと組んで数週間後…。ワタル達がいる国、リョウ国。そのリョウ国を治める60代後半の天上人、ゴウラ大将軍は部下からある報告を受けていた。


「ミツザネただいま戻りました」

「ご苦労、して調査の結果は」

「は、落下地点を調べた結果、新たなる巨神は見つかりませんでした。その代わり落下地点の中心でこのような棺を発見したしました」


 ミツザネはそう報告すると部下にワタルが眠っていたポッドを運ばせてきた。


「これは脱出ポッド。しかもこれは3本足の物」

「3本足ですか?」

「む、そう言えば話していなかったな」


 怪訝そうな顔をするミツザネにゴウラは3本足の話をした。


「ワシが天上人なのは皆知っておろう」

「はい、私が生まれる前、上様が天より降り立たれ戦乱の世だったリョウ国をまとめ平和に導いた事は亡き父より聞かされております」

「ワシらは巨大な船に乗り天の先からやってきた。そして船にはワシの故郷の国の皇子が指導者として乗っていた」

「上様がよく話される『天上の皇子』の事ですね」

「そうじゃ、ワシは未だに天で眠りについている皇子の補佐役だった。しかし当時のワシは30代後半、皇子よりも先に逝くのは分かりきっていた。だから未来の皇子を支えるために3人の若者が幹部候補として皇子の側に仕えていた。やがて皇子を支える存在になると言う意味を込めて彼らは3本足と呼ばれていた」

「そのような方がいらしていたのですね」

「もっともそのうちの1人は30年前に東の果てのオワリの国にワシの同胞と共に落ちてきたがな」


 そう言うとゴウラは涙を流した。


「この地に下りてより30年。いつか皇子にこの国をお渡ししようと頑張ってきた」


 その為にゴウラは『王』とは名乗らず『大乗軍』と名乗っていた。


「ミツザネよ戻って来たところで悪いが何としてでも3本足を保護するのだ」

「その事ですが私が調査に赴く前に巨神を操る少女が落下地点に調査に赴き、珍しい服装の男性を連れて帰ったそうです」

「何と」

「話を聞いた長老の話では気にはなったものの仕事を頼んだので詳しい事を聞くのは躊躇われたそうです。ただ巨神を操り倉庫の屋根を直したと」

「3本足は皇子の近衛の役割も持っていた。巨神を操る術も一流じゃおそらくその男性が3本足で間違いないだろう」


 ゴウラが興奮気味に命令した。


「直ちにその2人を見つけて連れてくるのだ。ただし手荒な事はするな。3本足は戦闘用の巨神…、いや獣の姿をした守護獣を持っている。そしてどんなに離れていても呼び寄せる術も。もし戦いになったならお主では勝てん。『2翼のゴウラ』が待っていると伝えよ。決して争うではないぞ。では行け!」

「はっ」


 ゴウラが命令するとミツザネは返事をして謁見の間から出て行った。


「皇子、もうご尊顔を拝謁する事は適いそうにありませんが後を任せるものが見つかりました。必ずやこの国を皇子にお渡しします」


 ゴウラは1人そう呟くのだった。


 一方、その2人はと言うと街での荒稼ぎに成功して祝杯を挙げていた。


「「かんぱーい」」

「いやー、ワタルと組んで正解だったわ。私1人じゃここまで稼げなかったもの。ワタル様様よ」

「感謝するのは俺のほうだよ。トウカが拾ってくれなかったら生きていくのはもっと大変だったはずだ」


 思い切りがよく豪快なトウカとそれに付いて行くことができ、尚且つ繊細な動きが出来るワタルのコンビは巨神でないと出来ない仕事を次々とこなしていったのだ。


「たっぷりと稼いだしそろそろ次の街に行きましょうか」

「そうだな、ここでの仕事はもう無さそうだ。それにあまり荒稼ぎするとこの街の人の仕事を奪いかねない」

「じゃあ、今日はゆっくりと休んで明日街を出ましょう」

「それは、困ります。お2人に仕事を頼みたい」


 今後の事を相談しながら飲み食いしていると、身なりのいい男が話しかけて来た。


「自分はこの藩の藩主ナオチカ様の使いで着ました。お2人には仕事をお願いしたいのです」

「「仕事?」」


 2人は行きぴったしで返事をした。


「はい、30年前我が藩に落ちてから未だに回収が不可能な巨神の回収です」


 藩主の使いはそう答えたのだった。

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