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第一話「アルディアの少年」

この日。夜空に無数の流星群が流れた。見る者は驚き、喜び、奇怪に思う者もいた。そしてその流れ星の内の一つが地上に落ちた。強烈な光と轟音を出しながら。




アバラジア大陸。複数の大小からなる国が各地に点々とし。国だけではなく民族単位で生活している非常に豊かな土地である。その中でも大陸の南のレ二アール国、東の尖帝国、西のフロスワーズ国という大国が互いに均衡を保っていた。しかし最近は東の尖帝国が勢力を伸ばし軍事力で各地の小国を占領していった。そんな中、大陸の中央部、やや東側に位置するアルディア国。物語はそこから始まろうとしていた・・・・・・・・・。





第一話『アルディアの少年』

アルディアの城下町、住宅地区の片隅の家から1人の少年が勢いよく出てきた。少年の名は,レイ,歳は13。明るみがかった栗色の髪の毛を靡かせ、清閑な顔立ちをしている。レイはグッと体を伸ばしている。そうしているとレイの家の向かいにある家の戸から女性が出てきた。

「あら、レイおはよう」

とても優しげな声でレイに挨拶する。この女性の名前はムーア。よくレイの晩御飯を作ってくれたりしてくれている人なのだ。レイは親がいないのだ。何故いないのか、レイには分からなかったが本人はあまり気にしていない。

「あ、おはようムーアさん」

レイが笑顔で返事する。レイはその場で体中を伸ばす体操をする。その間ムーアは家の前の花に水をやったりする。それがレイとムーアの朝の始まりなのだ。レイが体操していると道の向こうから2人の子供が歩いてくる

。この2人はレイと同い年で、レイとよく遊んだりしている友達なのだ。

「おーい、レイ!」

遠くから手を振ってレイを呼ぶ、それに気づいたレイも手を振り返して反応する。2人がレイの側まで寄ってくるとレイが

「じゃあ今日も行くか」と二人に言う。

「おう」とすぐに返事したのがリューカ、気が強くて体も三人の中で一番大きい。いわゆるガキ大将みたいなかんじである。

「う、うん・・・」とその後に続いていったのがマルク、リューカとは正反対に気が弱く、いつもレイとリューカにからかわれたりしている。

3人は今から城に行こうとしていた、それも城の中に忍び込もうとしている。特に何かをしようというわけではないのだが一般市民にとって城の中に入れる事自体ほとんど無い為、3人は珍しいもの見た気に3日に一度は城に忍び込んでいるのだ。ムーアはそのことを知っていたがあえて止めなかった。止めても無駄だからだ。マルクはともかく、レイとリューカの2人の冒険心をとめることは出来ないと知っていたからだ。ムーアが歩いていく3人を見送りながら、3人は城の方に歩いていった。




アルディア城の外壁は石積みの高い壁になっていてもし他国からの攻撃を受けても簡単には攻め込めないようになっている。そんな外壁の中にレイたちは独自のルートを見つけていた。それは外壁の外側の草が多く生い茂っている所に、一つ壁が崩れている部分がありレイたちはいつもそこから城の中に侵入しているのだ。幸か不幸かそれともただサボっているだけなのか城の者にはこの崩れて出来た通り道は知られていない。レイたちはひっそりと城の内部に入っていった。この朝の時間帯、見張りの兵士はごくわずかしか居らず、ほとんどの兵士がまだ宿所で寝ていたり食所で朝飯を食べている。

その為レイたちも侵入しやすい。3人は順々に壁を越え今日も進入できた・・・・・・と思った時。

「こらっ!お前達!また勝手に入って!」

この時間帯の見張り兵の1人、ティックに見つかってしまう。若輩の守備兵長であるティックは軽装で外壁付近を見回っていたのだ。

「やべっ!逃げるぞ!」

とリューカが声をかける。反射的にレイとマルクも逃げ出す。「あいつらまたか!」などと溜息を吐き追いかけながら言う。ちなみに前にレイたちが城に入ったときにレイたちを捕まえたのもティックである。レイは逃げながら「しまった!」と思っていた。どうせ城に入っても見つかって捕まるのがいつもの落ちだけど、今回は俺たちが入ってきたときに見つかってしまった・・・。これじゃ次からここからじゃ入れないよ~・・・。レイは逃げながらそう考える。渡り廊下を走っていると、王に仕える使用人や兵士が、なんだなんだ?とこっちを見てくる。だがその大半は「ああ、またレイたちか。あいつらも懲りないなー」とレイたちのことを知っている人が多い。それ程レイたちは城に出入りしているのだ。

いつの間にかリューカとマルクとはぐれてしまったレイは城に複数ある内の一つの中庭に来ていた。少しだけ振り返ってみるとティックの姿はない。どうやらリューカたちの方を追いかけているのだろう。この中庭は城の建物に囲まれた所にあり天井は無く青い空と流れる雲、そしてわずかな陽の光が差し込んできている。

中庭だというのに生い茂る草木はある部分ではレイの身長よりも長く伸びている所もあり、レイでは中庭の全貌をその場から見ることはできない。

ティックが追いかけてこない事を機に、のんびりと中庭を歩いてみる。

「・・・え、~・・・の  さ・・・みち」

静かな庭内に微かに聞えてくる歌声のような音が一瞬聞えた。その美しい歌声にレイは自然と惹かれていった。そして自然に歌声の元へと足を運ぶ。



草木が立ち並ぶ庭園を一歩一歩歩く。そして聞えてくる少女の歌声にレイは心地よさを覚える。両親のいないレイにとってそれはとても優しさがある歌声だった。

あとこの林を抜けたら歌声の主がいるっというところまできた。この歌声は誰のものか、その正体を知りたいレイは林を手で払いのけながら抜けた。

そこには爽やかな軽装のドレスを身に纏ったレイと同じくらいの年頃の少女が、横に綺麗に切れた木に座り込み歌っていた。

風で靡かせる、肩にかかるくらいまで伸びた銀髪。そして可愛らしい顔にレイは心の中で「綺麗だ・・・」と思ってしまっていた。自然と一体化して歌っていた少女だがレイの存在を見つけた。

そして目と目が合う。




第一話・完

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