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7 美少年のデートは断れない


 晴天の春空に負けないぐらいの笑顔を私へと向けて来る唯斗君。そんな彼は外行きの格好をしており、朝から何処かへと出掛ける事がわかった。


 「えっと、おはよう唯斗君。朝から何処か行くの?」


 挨拶を唯斗君へと返し、服装から来る疑問を口にする。


 唯斗君が私の疑問に更に笑顔を輝かせた。


 私は嫌な予感に襲われてしまったがもう遅い。


 「紗月さんとデートでもと、思いまして。お誘いに来ました」


 美少年からのデートの誘い。世の女性のほとんどが歓喜する話だが、私は喜べない。

  

 理由は言うまでもない。


 彼は私の黒歴史の体験者。そんな彼と一緒に居るのは精神的な理由から良くない。けして唯斗君の事が嫌いと言う訳ではない。


 私が答えを直ぐに出さずにいると、先ほどまで晴天の春空並みの笑顔だった唯斗君の顔はどんどんと曇っていく。


 「もしかして…迷惑でした?」


 不安の混じった声に私の脳は考える事を殺した。


 脊髄反射で口が勝手に動き私の理性を吹き飛ばす。


 「全然ッ!誘ってくれて嬉しいなぁ!私から誘おうとしてたぐらいだもん。奇遇過ぎて、一瞬運命感じちゃったなぁ」


 口から思ってもない事がペラペラと出てくる。


 唯斗君の悲しむ顔が観てられなくて、つい口が勝手に動いてしまった。


 黒歴史には触れて欲しくないが、唯斗君の事が嫌って訳でもない。唯斗君と一緒に、いる事で黒歴史の話題が出るのが嫌なだけなのだ。


 それもこれも、私が唯斗君を巻き込んで黒歴史を作ったのが発端なんだが…


 「ホントですか?無理してません?それなら…」


 未だ曇った表情で問い掛けてくる唯斗君。私が

無理に合わせているように見えているらしい。だから私は唯斗君の不安を取り除く為に手を握り、訴える。


 「そんな事ないって!私唯斗君の事好きだから誘ってくれて嬉しいよ」


 その言葉を信じてくれたのか唯斗君の顔は太陽の様に輝きだした。


 「それならデートしましょう!僕も紗月さんの事好きです!」


 そんなこんなで私と唯斗君のデートは確定した。

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