6 最悪な目覚めと朝
悪夢から覚める。
自室の薄暗い部屋の天井と目が合うと、ゆっくりと体を起こす。
暫く周りを見渡して、私は…
大声で叫んだ。
「うわぁぁぁぁぁーーーーーー!なんでぇ!なんでぇぇぇぇ!」
寝癖の酷い髪を掻き乱し、頭を振る。
脳がグワン、グワンと揺れて気分が悪く成るが気にしてられない。
目覚める前に観た夢。それは私の黒歴史だった。
夢に出てきた小さな私と小さな唯斗君。それが黒歴史の再現の様な…
いや、黒歴史の再現その儘のやり取りしていた。
今にも消えてしまいたい程の恥ずかしさに頭を抱え、髪を掻き乱す事しかできなかった。
2分程後、ボサボサ頭を直しに洗面所に向かう為に階段を降りる。そんな私をリビングから出て来たお母さんが心配そうな顔で出迎えた。
「紗月、大丈夫?上から変な声が聴こえて来たけど」
どうやら私の発狂していた声は下まで届いていたらしい。
私はできる限りお母さんに心配を掛けないように笑った。
「うん、大丈夫…だよ」
私の笑顔(死んだ目)を観たお母さんは「…そう」と答えてからリビングへと戻っていった。
洗面所で髪を直した後はリビングに行く。
リビングにはお父さんが先に座っていた。お母さんはキッチンで洗い物をしていた。
私はお父さんの対面へと腰を下ろす。お父さんはそんな私に気が付かずに新聞を広げ読んでいる。
私が座ると洗い物していたお母さんが私の前へとお皿を並べる。
トースト1枚とサラダ、それに牛乳。
朝ご飯としては少ない様に見えるが、私は朝はあんまり食べない為。この量しか用意されない。
トーストにジャムを塗り終えると、トーストを千切口の中へと放り込む。咀嚼してから飲み込み。その後牛乳で口の中を潤した。
それを繰り返し、最後に残ったサラダを口へと運び食べ終える。
「ごちそうさま」
私が食べ終えてもお父さんは新聞を広げた儘で未だに朝食に出されたコーヒーは残っていた。
私は食器をお母さんの居るシンクへと持っていく。その後に服を着替える為に2階の自室に戻ろうとして、リビングのドアへと手をかけた瞬間。
ピーンポーンとインターホンが鳴る。
後ろを振り向きお母さんとお父さんの様子を観たが、2人共が私へと視線を向けてきた。
無言の圧。
お前が行けと言われた様な気がしたので、私は仕方なくパジャマの儘玄関へ。
「はーい。今開けます」
声をかけながら玄関のドアを開くと、
「おはようございます」
眩しい程の笑顔で外に待ち構えた唯斗君が居た。
私は天を仰ぎ心の中で叫んだ。
最悪の朝だな!!




