4 いきなりキスなんて物語の中だけ
体調不良だと言う事になっている私を支える様に歩く唯斗君。大きな手でいつでも転んでも大丈夫な様に手が私の身体へと軽く触れている。
私を支える様に歩く唯斗君との距離は近く、唯斗君からはいい匂いが漂ってくる。
美少年と密着して歩くドキドキとは違うドキドキが私の心臓を激しく鳴らす。
唯斗君にいつ黒歴史を掘り返されるのかわからない恐怖。それは実家で唯斗君に会ってからずっと感じていた。
廊下の先にある階段を上がると、先程までより密着する。唯斗君の身体と私の身体が触れ合う。
細身に見えた唯斗君の身体は思っていたよりガッシリとしていた。カッコ可愛い顔とガッシリとした身体。それに、お母さんと話しながらも、私のことをしっかりと見ていて気遣いができる。
そんな唯斗君はモテるだろうなぁ〜と、他人事の様に思た。
階段を登りきり、部屋へと入ると。私はベットへと座らされた。
部屋は私の私物は飾られてなく、段ボールだけが積み上がっていた。
そんな部屋を唯斗君に見られるのは恥ずかしいが、これも自己防衛の為に仕方ないと割り切る。
部屋に送ったから唯斗君は直ぐに帰るのかと思えば唯斗君は未だに部屋でなかった。それどころかベットに座る私の前に来て、目線を合わせて来た。
美少年の整った顔が前にまで来て私は顔を逸らす。
そんな私の頬に大きな手が添えられた。
「えっ?」
疑問に思う暇もなく、顔を正面へと向けられる。それと同時に近づく整った顔。
キスされる?!
そう思った。
けど、現実は違った。
額と額がくっつく。
「ッ///」
驚きと照れで顔が赤くなる。そんな私とは違い彼は平然としていた。
ゆっくりと額同士が離れる。それと共に手も離れる。
私は赤く成った顔を腕で隠しそっぽを向く。
照れた顔を見られない様にと僅かながらの抵抗である。
「熱はないみたいだね。でも、悪化して熱出すかもだから、安静にね。じゃあ、僕は帰るね。お大事に」
唯斗君は私の様子など気にせずにそういいのこして帰った。
「え?なんだったのさっきの!?」
唯斗君が帰った後に困惑する私だけが残された。




