サイアノタイプ
最終エピソード掲載日:2026/02/02
──大切な人を失った、すべての人へ。
「百合も喜んでるよ。」
もういない人の心を、語ってもいいのだろうか。
痛みは、慣れていくばかりで、消えることはない。
そんなふうにしか受け止められないのは、自分が子供だからなのか。
それとも、大人は痛みのない顔をしているだけなのだろうか。
大学生のモトは、ある冬の日、隣家の“お姉さん”だった百合の訃報を受け取る。
彼女が遺したのは、何気ない言葉が綴られた絵葉書と、彼女の生きた時間そのものだった。
返事を書くのをやめたのは、自分だった。理由はなかった。
けれど、その選択のあとに残ったのは、確かな後悔だった。
胸の奥に痛みを抱えたまま、モトは北の町・藻川へ向かう。
待っていたのは、不愛想な映画館の管理人・永原と、目の奥に強さを宿した女性・ミネ。
そこで交わされる言葉、照らし出される記憶。
静かな対話のなかで、モトは少しずつ、「描くこと」を通して、自分自身の痛みに触れていく。
描くように、語るように。
伝えたかったことは、胸の奥に、ずっとあった。
色が、言葉が、光ったとき――痛みと、生きていける。
第一章 訃報
2026/02/02 20:04
第二章 八角形の映画館
2026/02/02 20:07
第三章 ボウリング場
2026/02/02 20:13
第四章 交流館
2026/02/02 20:14
第五章 シアター
2026/02/02 20:14
第六章 流氷研究センター
2026/02/02 20:15
第七章 カウンター
2026/02/02 20:16
第八章 白黒の湖畔
2026/02/02 20:16
第九章 グリースアイス
2026/02/02 20:17
第十章 もかわ展望タワー
2026/02/02 20:18
第十一章 映写室
2026/02/02 20:18
第十二章 長距離バス
2026/02/02 20:19
第十三章 集大成
2026/02/02 20:19