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百を数えましょう 睡眠の重要性

現在検査入院中。

大きな総合病院だと言うのは分かるがここがどこかいまいち分かっていない。

転院してなければたぶん合宿地の近くなんだろうな。でもそれも不確か。

ベッド数が足りずに受け入れ拒否され遠くの病院まで運ばれた可能性もある。

何と言っても俺の症状は軽症だ。ただ検査の結果によっては重症化する場合も。


消灯時間が過ぎた。

トイレを済ませベットに潜り込んだがちっとも寝れそうにない。

そうだよな。あれだけたくさん寝れば眠くない。仕方ないこと。

ただ真っ暗な中で寝れないのは辛いものがある。

大声をあげてもまずいし当然ナースコールもご法度だ。

この時間に緊急コールでもしたら大騒ぎの上に大迷惑。

分かってる。それくらい分かってる。常識だ。

でもどうしても我慢できなくなったらナースコールしようかな。

今のところ大した問題も起きてないのでこのまま。

まさか眠れないから寝かしつけてなどとは言えない。


夜の病院内を歩き回るのは先日の肝試しよりも恐ろしい気がする。

肝試しか…… うーん。結果的にいい思いをしたよな。

先頭の部長チームがお化けの格好をして脅かそうと。

そこで怖がりで内気な希ちゃんが恐怖のあまり抱き着く。

大丈夫怖くない。といくら言っても無駄で抱き着いて放さない。

俺も男だからそのシチュエーションは大好物だけど。それでもやり過ぎ感がある。

脅しをかける部長たちもだが明らかにびくびくしてる希ちゃんも怪しい。

一体何がしたいのか? 

おっとおかしな妄想でリラックス。


希ちゃんと言えば奴とお見舞いに。

心配してくれたんだろうな。

でもそれ以上にアイミに心配と迷惑を掛けたような気がする。

一緒に救急車に。いろいろ大変だったはずなのに。

その後まったく姿を見せない。

心配させてしまってるんだろうな。

いや…… 本当にそうかな? 案外次会った時はけろっとしてそう。

もしかしたらアイミは理由があって見舞いにいけなかっただけかもな。

別に無理に来なくてもいいが心配にはなる。

もしかしてアイミには何かあるのかな?

俺たちの知らない秘密が隠されてる? 

ははは…… さすがにそれはないか。考え過ぎ考え過ぎ。

眠れないものだからつまらないことばかり考えてしまう。


現実に戻せばただ寝れない悩みが現れる。

さあどうにかして寝るとしよう。

ただ昼間にたっぷり寝ていたものだから寝れない。

こんな間抜けな言い訳は通用しない。

寝たいのに寝れない。

消灯時間が過ぎたので全員寝ており当然騒ぐ者はいない。

原則テレビも映らないし俺としては何もやれることがない。

せめて電子機器の持ち込みができればこの退屈な時間をやり過ごせるんだけどな。


ウトウトし始めた。

でもこの状態から熟睡まで行くのが意外にも長い。それはそうだろうな。

大体朝起きた時にそう思えるのであってそれ以外ではまだ寝れてないことになる。

それは本当に辛いことで寝ようと努力すればするほど目が冴えてしまう。

このままだと朝まで一睡もできない事態に。

本来それはそれでいいのだが。明るくなるにつれて焦りが加速する。

睡眠の重要性を再認識する出来事。


やはり古典と言うか努力するしかない。

恥ずかしがらずに唱えるとしよう。

羊の歌を頭の中で思い浮かべ少し躊躇ってから心で数えて行く。

羊が一匹。二匹。三匹……

これを唱えれば絶対に眠れると信じて先ほどから始めてるが効き目は薄い。

百匹辺りからもうどうでもよくなって数えるのをやめてしまう。

それの繰り返し。いつかは眠れると信じて横になる。


うん…… ここはどこだ?

また変なところに迷い込んだかな。

チュウシンコウ?

そうとしか読めないからチュウシンコウでいいのだろう。

幕には立派な字でチュウシンコウと横に書かれている。

でかでかと書かれているからこれだけは読めるがそれ以上は無理。

どれだけ目を凝らしても解読不可能。でも漢字だからな。

怪しい集団で仮におかしなことをしてるのだとしても日本人だろう。

勝手にそう決めつけてるが日本人以外では絶対にないとは言えない。


この国には毎年沢山の外国人が観光や仕事や留学等でやって来る。

だからいくら怪しくても偏見の目を持たずに受け入れなさいと言われた。

誰だったかな? 近所か親戚のおじさんだったと思うけどはっきりしない。

別に俺だって少しおかしいなと思っても別に気にしないタイプ。

そもそも俺はそこまで頭がいい訳じゃない。ただ言われたことはきちんと守る。

でも得体のしれない人物がその辺を占拠したりおかしな祭りをしていれば目が。

これくらいは許して欲しいよね。偏見の目は持ってないと思うがどうだろうか?


そして今目の前で行われているのもその類のもの。

目の前と言っても凄く遠くに感じる不思議。

迷い込んだ不安からかな。何でこんなところに来たのか覚えてない。

ただ暇で夢中で駆け回っていたらこんなところに来てしまったらしいんだ。


もう四時を過ぎた。急いで帰らないと叱られてしまう。

見知らぬ土地で真っ暗になったら危険だ。何が襲って来るか分からない。

もう帰らなくちゃ。真っ暗になる前に安全なところに。

でもそれでもすごく気になって。その場に留まる。


                 続く

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