「プロフェッサー」
帰宅後、食事を済ませログインしました。
活動拠点になるレストランに人だかりができていました。
「あなたが、ゆかりさんね。はじめまして、涼といいます。」
その女性は、背が高く貴賓のある衣装で指揮を取っていました。
「あぁ、紹介するよ。彼女はコードネーム『プロフェッサー』今回の捜査で中心的な人物だよ。」
マスターはそう話すと彼女に私を紹介してくれました。
「いつも世話になるねプロフェッサー。」
「事情は理解したわ。みんな。自前のキャラクターを提供してくれる?」
「まぁ、300体くらいは集まったぜ。足りるかい。」
一人の男がそう答えました。
プロフェッサーは皆に、プログラミングしたシステムを配布すると指示を出します。
「相手は、『ニベンス』。時計を使って秘密の抜け道を使って場所を次々と変えるけど仮想空間はマップ内でしか行動できない筈。屋敷を中心に時計を見ている人物を探し出しなさい。索敵できれば捕縛せず、私に連絡を。後で、ここで落ち合いましょう。では全員解散して。」
「了解。みんな解ったな手は出すなよ。居場所さえ特定できればいい。深追いはせず、プロフェッサーの指示に従って見つけ次第情報を共有を行い次の指示を待て。」
「はい。」
「ゆかりちゃん、俺たちもこのプログラムで仮想空間を探そう。カウンター内にあるタブレット端末が反応すれば見て報告すればいい。仕事の隙間時間を見つけて確認しながら、協力すればいい。」
「マスター、あの方は何者なのですか?」
「元、大学の教授だよ。今はフリーで仮想空間のリーダー的存在のゲーマーだ。外国の特殊部隊に居た経験もあるので体術にも長けている。接近戦で稼ぎまくっているが、頭脳では無敵と呼ばれる人材だよ。
「色々あっちの世界には優秀な人がいるんですね。」
「仕事に戻ろう。俺たちは客の相手をしながら、待てばいい。」
私とマスターは店の中に設置してあるモニター画面を見ながら彼らの仕事の様子を見ながら、送られてきた情報を纏めチームメンバーの動きにヒントを与えました。
日付が変わりそうになった頃、マスターがシステムで呼びかけます。
「そろそろ、ここも店を閉じるから、各自無理の無い様に切りのいい所で引き上げてくれ。徹夜は厳禁だ。明日、またここで会おう。」
私とマスターはログアウトして自宅で過ごすことにしました。