「雨の日の過ごし方」
アルバイトもお休みなので自由に過ごす事にしたいと思っています。
子供の頃から、雨の日の過ごし方と言えばお気に入りの音楽と読書になるタイプだったのですが、最近の私は大抵家事に追われて終了してしまいます。
今日はそんな中、レインブーツと傘を用意して少しだけ知らない道を散歩してみる事にしました。
滑って転ぶと大変なので、ぬかるんだ場所は避けますが、レインブーツを汚して楽しむのです。童心に帰り水溜りでじゃぶじゃぶ。
屈んで用水路の水に耳を傾けたり、様々な木々や草木がしずくで濡れた様子を観察するのです。
普段は気にも留めない、雨粒が傘に落ちる音。水溜りに反射する空模様偶然見つける虹は神様からの贈り物。私はそう思います。
「じゃあ、行ってきます。」
私はドアを開ける誰もいない部屋から出ると、近所の方にご挨拶をしてマンションを離れます。
道路際は煩いので。車の騒音を避け知らない道路を使って、今まで出逢った事のない景色を眺めるために。
平日という事もあってか、道行く人は足早に学校や会社に向かいます。
人気の無い小さな公園でベビーカーを押す、若い女性とお会いしました。
「どうしたんですか?こんな雨の中。」
「この子が泣き止まないので、集合住宅から出てきました。いつもこの公園を一緒に散歩しているので、ご機嫌斜めなのよ。」
隣では小さな飼い犬がおとなしく付き添います。
「この先って何かあります?」
私は女性に尋ねました。
「そうね、野池があって細い畦道があるだけだから、行かない方がいいわよ。落ちると危険だから。」
「ご親切にありがとうございます。」
私は、女性にお礼を云うと方向を変え。来た道を戻り始めました。そうして、辺りを見渡すと、雲の隙間から光が差し込み光の帯が美しく照らしたのです。
2時間少しのお散歩の旅を終え私は自宅へと戻ります。これが私の休日の冒険譚です。