「仮想空間での様子」
その日の営業は無事終わり、私はタブレット端末で仮想空間を散歩していました。
私は、ワンピース姿でその世界に入りましたが、そこはゲームでよくある異世界。エルフ、ドワーフ、妖精たちが住む世界。私はその世界の装備を準備しなければなりませんでした。潜入捜査を行う為、先ずは宿屋で情報収集を行う事になります。
「まぁ、いいけど、どうしよう。私も不自然な動きをしてはいけないし。」
宿屋の主人に尋ねます。
「この近くでレストランはありますか?経験がありますのでウエイトレスとして働きたいのですが。」
「あぁ、それならこの通りを真っ直ぐ進むと案内所があるから聞くといい。」
私は、宿屋の主人に礼を云うと、案内所へ向います。
「こんにちは、私。ゲーム内で人を探しているのですが、食事の出来る場所を探して働きながら情報収集をしたいんですよ。」
「この村のレストランでいいのかい?まぁ、ここならあんたも安全だし。ちょっと待ってな。受け入れができるか問い合わせてみっから。」
暫く待つと宿屋の主人が戻ってきました。空きがあるとのこと。私はお礼を言ってレストランへ向かいます。
「こんにちは。」
「いらっしゃい。見慣れない顔だな。この村は初めてかい?」
「はい。先日このシステムに入ったばかりです。冒険目的ではないので、ここでウエイトレスをさせていただいて。」
「あぁ、さっき案内所から連絡があった娘さんだね。君はこの職業が好きだな。」
「え?」
「私だよ。カフェ「つなぐ」の店長。ようこそ。私のお店へ。」
レストランがどっと湧き立つ。
「ゆかりさん、ここにいる人のメンバーの殆どが「つなぐ」の常連でPCが使える人だちだから安心して。情報収集もやり易いから。警察の要請で「つなぐ」の常連だから。」
緊張が解れます。
「店長!」
「ここでは、マスターね。メニューも自動的に表示されるし、君はこの店内で食べに来る人や村人から情報収集すればいいだけだよ。」
「明日、店でお話があります!」
笑い声が増した様です。
「もぅ。今日はこれで、ログアウトさせて頂きます。」
私は、タブレット端末のスイッチをオフにしてシャワーを浴びるとベッドに潜り込んだのです。