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国外追放されたマッドサイエンティスト、何を血迷ったか世直しを始めてしまう~狂科学者のオリジナル武器無双~  作者: 日和崎よしな
第1章 狂科学者ベントとギルド・プログレスの躍進

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第12話 内部にはびこる厄介者①

 ベントはプログレスのギルドホームで朝食を食べていた。


 プログレスに隣接する飲食店 《プロトポリア》で定食を注文し、それをギルドホームに持ち込んで食べている。


 定食のメインであるロールパンは、張りのある表面とは裏腹に中はふっくらモチモチして食べ応えがあった。

 サラダには塩っ気の利いた薄切り肉が添えられており、ひと口食べるともっと食べたくなる。

 細切れ野菜のトロトロスープはコクのある味わいで、喉を通ると体を芯から温めてくれる。


 シエンス共和国での食事はほとんどが調理の簡便化を追求した量産品だったので、こうした手作りの料理からは実温とは別の温もりが感じられた。


 しかも価格はお手頃だった。

 ベントは所持金をウィルド王国の通貨であるルドに換金していないが、道中で返り討ちにした盗賊の頭領から回収した金があるので数日は困らない。


 しかしできるだけ早い段階で安定的に食い扶持を稼ぐ方法を確立する必要がある。

 それを模索するため、ベントは食事を終えると依頼掲示板に貼り出されている依頼に目を通した。


 依頼書には依頼内容と報酬、受注の推奨ランクが記載されている。


 ランク5th向けの依頼は、荷物の輸送、他領からの物資の調達、害虫駆除、失せ物探しなど、時間がかかるわりに実入りの少ないものしかなかった。


 推奨ランクが上がってランク4thになると、凶獣の出る可能性がある場所への調査や採集の依頼が出てくる。


 ランク3rdでは凶獣の討伐が主となり、ランク2ndだと凶獣の群れの掃討や危険度の高い凶獣の討伐が主になる。


 ランク1stの依頼は見当たらなかった。

 おそらくランク2ndでも対応しきれない高難度の依頼がそこにくるのだろう。


 ベントはランク2nd向けの依頼 《凶獣リノセロの討伐》の依頼書を取って受付カウンターへ向かった。


 受付ではリゼが元気な笑顔でベントを迎えた。


「あ、ベントさん、おはようございます」


「おはようございます。リゼさんはやっぱりプログレスの受付職員だったんですね」


「はい、そうなんです。何か困ったことがあったらいつでも相談してくださいね」


 昨晩、ギルドに登録したときの手際からして、リゼは受付の職員なのだろうとベントは察していた。


 小規模ギルドゆえにギルドメンバーも少なく、比例して職員も少ない。

 プログレスの受付はリゼだけである。


「さっそく訊きたいことがあります。依頼には推奨ランクが記載されていますが、これは単に推奨されているだけで、受注制限のたぐいではありませんよね?」


「はい。推奨ランクは単に推奨しているだけなので、推奨ランクに達していない勇士の方でも高ランク向けの依頼を受けることは可能です。ただ、依頼を達成したとしても勇士としての実績にはつながりにくいです」


 リゼが低ランクの勇士が高ランク向けの依頼を受けることのデメリットを説明した。

 その説明によると、影響が出るのはランクを上げるための昇格試験の部分であった。


 昇格試験を受けるには、《自分のランクに対応した推奨ランクの依頼を10件以上達成した実績があり、直近10件の依頼の成功率が70%以上に達している》という条件を満たしていなければならない。


 つまり自分の推奨ランクの依頼でなければ、依頼を達成してもそれが受験資格獲得のための実績としてカウントされないということである。

 だから高ランクの依頼をこなしても一気にランクが上がることはない。


 ちなみに昇格試験の内容は、《自分のランクよりひとつ上のランクの依頼のうちふたつをギルドマスターが指定し、その依頼を達成すること》である。


「まどろっこしいシステムですね。身の程をわきまえない愚か者が分不相応(ぶんふそうおう)な依頼を受けてしまうことを防ぐのが目的でしょうか?」


「まあ、率直に言ってしまえばそういうことです。それ以外には、誰も引き受けたがらない依頼を受注してもらう目的もあるんです。特にランク5thの雑用なんか、そういう仕組みがないと誰も受注してくれませんから」


「なるほど。ではこれを受注します」


 そう言いながらベントは《凶獣リノセロの討伐》の依頼書を受付カウンターに出した。


 それを見たリゼは、ベントと依頼書の間で視線を2往復させた。

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