第7話:「しおんと、朝の占いで世界が大混乱!?」
みなさん、朝の占いって見ますか?
今日のラッキーカラー、運勢、最下位の星座……なんとなく気になっちゃうアレ。
今回は、占い最下位を引いてしまったしおんが、その運命に振り回されるお話です。
とことん不運に見舞われながらも、ちょっとだけあったかい奇跡も――?
平和にバカする女子中学生たちの“非科学的に本気”な一日、はじまります!
「今日のラッキーカラーは……ピンクの靴下!」
朝のHR前、しおんはスマホ片手に机に突っ伏していた。
ことはがその様子をじっと見つめる。
「しおん……。今日も元気に現実逃避中?」
「違う。運命に翻弄されている最中……!」
「ほう。詳細をどうぞ?」
しおんは勢いよく顔を上げた。
「今日の占い、最下位だったの!!」
「えっ、それって“おひつじ座のあなたは運気が大暴落☆”みたいなやつ?」
「そう!! “何をしても裏目に出るでしょう”って!!」
「わーお。もう家から出ないほうが良かったレベル!」
その会話に、近くで教科書を出していたみゆきが割り込む。
「占いって、そんなに信じる?」
「信じたくないけど……これを見て……!」
しおんはお弁当のフタを開けた。中身は――まさかの全白米。
「お母さんが“おかず入れ忘れたー!”ってLINEしてきた……」
「ぐっ……リアルすぎる……!」
その後も、しおんの“最下位占い”は猛威を振るった。
・教室のイスに座ろうとしたら、イスが後ろにズレてズッコケ
・トイレに行こうとしたら使用中(3連続)
・ジュース買おうとしたら全部売り切れ(唯一残ってたのが“やたら苦い栄養ドリンク”)
「これもう呪いじゃん!? 占いっていうより“呪いの予言”!!」
「ちょ、しおん落ち着いて、教室でガタガタ震えるのやめて(笑)」
「この世は恐怖に満ちている……っ!!」
放課後。
「……うう、もうイヤだ……今日はずっと負けっぱなしだった……」
夕日が差し込む廊下で、しおんはしょんぼりしていた。
そこへりな先輩が登場。
「……なに? お祓いでもしてほしいの?」
「むしろしてほしいです!」
「……そんなことだろうと思って、はい、コレ」
りな先輩が差し出したのは――チョコレートの小袋。
「なにこれ?」
「“たまたま”買ったら、ラッキー占いで“大吉”って出たおまけつき。今日限定らしい」
「えっ、あたしに……?」
「うん。ラッキーって、もらうと倍になるらしいよ」
しおんはちょっと涙ぐんで、小袋を受け取った。
「なんだかんだで……今日、一番うれしい出来事かも……」
「でしょ? そういう日もあるさ」
エピローグ:
しおんはその後、運気がV字回復し、翌日はやたらついていたらしい。
でも、彼女はそれを「りな先輩のおかげ」と本気で信じていた。
ちなみに、次の日の占いでは「親切が巡り巡って幸運を呼ぶ」と書かれていた。
りな先輩のツッコミ:「それ昨日じゃね?」
今回もしおんが全力で不運でしたが、いかがでしたか?
占いって、信じすぎると空回りしちゃうけど、
ちょっと信じると、誰かの優しさに気づけたりもしますよね。
そして何より、今日ダメでも、明日はきっと大丈夫!
そんな気持ちになれるラストにしてみました。
ラッキーは、身近な誰かからもらえるものかもしれません。
それがチョコレートでも、言葉でも、笑いでも――。
次回も、女子たちのくだらなくて温かい日常をお楽しみに!