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第4話:「中間テストと最終兵器りな先輩」

中学生の日常に避けて通れないイベント――そう、中間テスト。

いつもは騒がしくもどこかのんびりしていることはたちも、さすがに焦りを感じる季節です。


……とはいえ、ことはの焦りは“努力”よりも“お願い”に変換されてしまうようで?

今回のお話では、ついに“最終兵器”のあの人が動き出します。

果たして勉強はうまくいくのか、それとも爆発オチなのか(どっちもあるかも)。

「……え? まさかとは思うけど、ことは、来週中間テストって知ってる?」


月曜の昼休み、しおんの鋭い問いかけに、ことははカレーうどんをすする手を止めた。


「し、知ってるし!むしろこの前見た夢が“テストに全教科0点”だったから、予知夢かと思って――」


「それ知ってるって言わないし、不吉な夢すぎるからね!?」


「いやでも、逆に運が向いてる気がしてきた。人生、底から始めようよ?」


「受験っていう現実があるからな?」


放課後、ふたりは図書室にいた。

……が、ことはは開いた問題集の上に顔を突っ伏していた。


「わたし、無理。文字が全部、古代文字に見える……」


「ただの国語の教科書だよ。現代語だよそれ」


「あーもう! 勉強とかむりむりむり! もうこうなったら、最終兵器を投入するしか……!」


「最終兵器?」


その夜、ことははスマホを握りしめ、ひとつのメッセージを送信した。


『先輩!私に、テストの風を吹かせてください!!』


返ってきた返事はひとこと。


『……渋々な』


次の日。図書室の奥。

そこには、まるで家庭教師のようなスーツ姿(制服の上にブレザーを羽織っただけ)のりな先輩がいた。


「じゃあまず、前回の英語の平均点は?」


「えっ、えっと……70点くらい?」


「正解は58点。分析が甘い。反省点が1つ」


「ひぃ、なんか圧がすごい!」


「いい? テストは戦。気合と分析と“予測”がすべて」


先輩の指導は、びっくりするくらい的確で、数分後にはことはも真面目にノートを取り始めていた。


その後も放課後は毎日特訓。

しおんも巻き込まれて、まさかの3人で“勉強合宿”状態。


「先輩……ここまでしてくれて、ありがとうございます……」


「テスト明けに、アイス奢ってもらうからな。2つな」


「ふ、二段構えの要求……!」


そして――テスト本番。


「ふっ……りな先輩の鬼特訓を乗り越えた今、怖いものなんて……ってわからん!この問題なんやねん!」


試験中もことははことはだった。






エピローグ:

数日後、テスト結果が返ってきた。


「ことは、前回より20点アップ……!? すごっ」


「りな先輩のおかげ……いや、プレッシャーのおかげ?」


「……どっちにしろ、次も特訓な」


「えっ、えっ、定期的に鍛えられるの!?」


りな先輩の“圧”と、しおんの“ツッコミ”と、ことはの“無駄な元気”。

なんだかんだで、いいチームになってきたのかもしれない。


……たぶん。

今回も読んでいただき、ありがとうございました!

勉強回というと地味になりがちですが、りな先輩のカリスマ(という名のプレッシャー)で

かなりハイテンションな内容になりました(笑)


こういうイベントはキャラの関係性を少しずつ深めていくチャンスでもあるので、

りな先輩の“面倒見の良さ”と、しおんの“振り回されツッコミ”の対比も

より鮮明にできて楽しく書けました。


次回は、ちょっぴり(?)恋の匂いがする回です。

ことはにそんな雰囲気が似合うかは……うん、お楽しみに!

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