第37話:「みゆきと、真夏の昼の肝試し(in 理科室)」
暑さで溶けそうな放課後、ちょっとした「ヒヤッと」を求めた4人の珍騒動です。
怖い話は苦手でも、笑えるホラーなら大歓迎!
「あっつい……この暑さ、溶けるって……」
7月も後半、エアコンの効かない教室に、みゆきがダラけた声でつぶやいた。
「なんかさー、背筋がゾッとするくらい怖いことすれば、涼しくならない?」
「え?それつまり……肝試し?」
ことはが目を細めると、みゆきがニヤリと笑った。
「理科室、行こっか。」
■昼間なのに全力ホラー
舞台は理科室。カーテンを閉めれば暗いし、骨格模型や瓶詰標本がある。
「てか、なんで真昼間に肝試しなの?」
「夜だと怖すぎるじゃん!昼がちょうどいいの!」
「怖くなりたかったんじゃないのかよ……」
ツッコミ担当・かえでが冷静に突っ込む。
■即席・ホラー演出(低クオリティ)
みゆきが用意したのは――
・懐中電灯(逆に顔が怖くなる)
・Bluetoothスピーカー(効果音「ヒュ〜ドロロ〜ン」)
・ことはの朗読「理科室に出る女の子の霊(創作)」
「……ってか、その話、明らかに今いるこの理科室じゃん!?」
「今まさに“出る”設定なの!?やめて!!」
「やば、ちょっと涼しくなってきたかも……」
■みゆきの大暴走
「では、ことはが読んでる間、私が後ろで“幽霊役”をやります!」
「だから、怖がらせる気満々なんだってば!!」
案の定、白い布をかぶったみゆきが、読経のような声を出しながら迫ってきた。
「なぜ読経!?ジャンル違くない!?」
「それより、その白い布、家庭科室のカーテンだよね!?返そうよ!?」
全員が混乱している間に、理科室のドアがガラッと開いた――
「……お前ら、なにやってんだ?」
先生が立っていた。
全員、心から凍った。
エピローグ:
「みゆき、放課後まで理科室の片付けだってさ……」
「うう……本当に怖かったのは、先生の声だった……」
帰り道、4人はアイスをかじりながら反省(?)していた。
「でも、ちょっとだけ、涼しくなったよね」
「確かに……心はヒヤッとした」
「あと、理科室のカーテン、しれっと戻しといてね」
「……はい……」
“怖さ”の中にも、“笑い”や“友情”があるのがこのシリーズのいいところ。
みゆきの暴走っぷりと、先生の登場タイミングが絶妙でした(笑)




