第35話:「ことはと、英語のテストと世界一くだらない暗記法」
学生生活あるある「覚えられない英単語」を、
いつものノリで、無理やり解決してみました(笑)。
来週は――そう、英語の小テスト。
「ううぅ……単語が覚えられない……」
ことはが教室の机に突っ伏してうめいた。
「じゃあさ!」
みゆきが笑顔でノートを掲げる。
「わたしが作った、英単語“ゴロ暗記帳”使ってみる?」
「え、なにそれ、こわい……」
■ゴロで英語!?
みゆきのノートにはこう書いてあった。
apple
→ あっぷる、あっぷ(腹筋)してる時にリンゴが降ってくる。
window(窓)
→ ウィンドウ、風ドウ(どう)した!? って窓開けたら風がビュン!
「……これは逆に頭に残るやつだ……!」
ことはは震えながらページをめくった。
■トンデモ語呂合わせ大会、開催!
「じゃあ、私も考える!」
かえでが勢いよく立ち上がる。
「book(本) は、ブックブク太ったから、本読んで痩せようと決意!」
「……うん、動機がリアル……」
「school(学校) は、すっごくクールな場所!(ウソつけ!)」
ことははもう、ツッコミが追いつかない。
■そして当日
小テスト本番。
ことはの頭には、かえでとみゆきの珍語呂合わせが……ぐるぐる。
「“apple”……あっぷ(腹筋)してたらリンゴ……あっ、apple!」
「“book”……太ったから痩せようと……はい、book!」
見事、ことはは小テストで満点を取った。
エピローグ:
小テストが返却された昼休み。
「ことは、100点じゃん!やるじゃん!」
「……あんたらのゴロが、頭の中で大暴れしただけだよ……」
「やっぱり“腹筋しながらリンゴ降ってくる”の強いよね」
「あと、“太ったから痩せる本”ね……」
「schoolはクールな場所ってのも覚えてたでしょ?」
「……それは、むしろ間違って覚えそうになった」
三人は笑いながらお弁当を広げる。
くだらないことも、誰かと笑いながらやると、
ちょっとだけ大事な思い出になる――そんな午後。
学ぶことって、バカバカしいくらいが案外ちょうどいいのかもしれません。
“楽しい記憶”は忘れにくいって、ほんとだなあって思います。




