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わたしたち、今日も平和にバカしてます。  作者: たむ


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34/50

第34話:「かえでと、迷子の子猫と見つけた居場所」

いつもテンション全開のかえでですが、今回はちょっと優しくて頼れる一面を。

“居場所”って、実はそんなに特別なものじゃないのかもしれません。

ある放課後。


「うおおおおお! 猫だああああ!!!」

かえでの雄叫びが商店街にこだました。


段ボールの中に、ぽつんと座る小さな白い子猫。

見た瞬間、かえでの“世話焼きスイッチ”がONになるのは、当然の運命だった。


■猫探偵・かえで始動!

「よし、名探偵かえで、出動だッ!」


「いや、あんた動物探偵でしょ今回は」


「ちがう、名探偵だ! 謎はすべて解くし、事件も解決する!」


ことはの冷静なツッコミを華麗にスルーして、かえでは猫の持ち主探しを開始。


商店街の人々に聞き込みをしては、


「この猫、知ってますか!?」


「知らないけど、かわいいねぇ~」


「かわいさでは誰にも負けません!」


「いや、それは猫に言って……」


という感じで空回りしていた。


■みゆきのひらめき

「ねぇ、写真撮ってSNSに載せてみない? 『迷子の子猫探してます』って」


「天才かよみゆき! でもそのアプリ、インストールの仕方わからない!」


「……任せて(半ば呆れつつ)」


■飼い主、現る

それから1時間後――


「すみません、その子、うちの“ミルク”です!」


小さな女の子が、母親に手を引かれて駆け寄ってきた。


「よかったねえ~!」

「お名前呼んでみて?」


「ミルクぅ~!」


すると、子猫は「にゃぁ」と鳴いて、小さな手にぴょんっと乗った。


その様子を見て、かえでは満面の笑みを浮かべた。




エピローグ:

帰り道。


「なんかさ、あの子猫だけじゃなくて……」


「……?」


「かえでも“誰かの役に立てる場所”、ちゃんとあるんだなーって」


「ふふん。わたしに解けぬ謎などないからな!!(謎解いてない)」


「かえで、あの子とどっちが迷子だったのかな?」


「えっ、えっ、どゆこと!? やめて、哲学っぽいのやめて!!」


笑いながら、夕焼けの帰り道を4人は歩いていく。

子猫も、かえでも、自分の場所に帰っていくのだった。

どこにいても、自分を笑ってくれる、手を引いてくれる人がいれば、

それが「居場所」になる――そんなテーマをこっそり込めました。

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