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わたしたち、今日も平和にバカしてます。  作者: たむ


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33/50

第33話:「ことはと、深夜ラジオと秘密のお便り」

今回の主役はことは。普段はしっかり者だけど、実は繊細で、ちょっと照れ屋。

そんな彼女の“内緒の趣味”と、友情のほのあたたかい瞬間を描きました。

ことはには、ひそかに楽しみにしている夜の習慣がある。


それは――深夜ラジオ。


AM0:00に始まる『青春だもの☆きらきらトーク!』。

パーソナリティは、テンション高めな芸人さんと、落ち着いた声の女性アシスタント。


学校での疲れも、提出物の焦りも、布団に入ってこの声を聴けば不思議とどうでもよくなる。


「今日も“おたより”読まれるといいなあ……」


■お便りの正体

ことはは、実は番組宛に毎週おたよりを送っている“常連投稿者”だ。


ペンネームは「電波の片隅のコトハ」。


内容は毎回、ちょっとした愚痴や日常の観察日記、それから――


「うちのクラスの“天然女王”が、今日また『廊下を制する者は時空を制す』とか言ってました」


――そう、主に“かえで”と“みゆき”の奇行をネタにしていた。


■みゆきの反応

ある日、ことはのスマホから流れるラジオを偶然聞いてしまったみゆき。


「……え、これ私の話じゃない? “カフェオレと味噌汁を間違えて持ってった女子”って、絶対私じゃない?」


「ち、ちがうよー!? たまたま似てるだけじゃないかなー!?(棒読み)」


「いや逆にそんな人ほかにいる!?!?!?」


ことはのペンネームがバレるのも時間の問題だった。


■ついに読まれた“大作”

ある夜、ことはは勇気を出して送った。


『実は今、親友に自分の秘密がバレそうです。

でもバレても、きっと笑ってくれる子たちなので。

今日もきっと、大丈夫。――電波の片隅のコトハ』


パーソナリティの声がふわりと夜を包む。


「なんかさ……こういうの、いいよね。笑われることがあっても、一緒に笑ってくれる人がいるって、ほんと強いよ」





エピローグ:

翌朝。


教室に入るなり、みゆきがにやにやしながら寄ってきた。


「ねえ、“電波の片隅のコトハ”さんってさー、いい文章書くよね~?」


「……見逃してください(小声)」


「ううん。むしろファンになった。毎週楽しみにしてるね、ラジオも、あなたも!」


ことはは顔を真っ赤にして、自分の席に崩れ落ちた。

誰しも、ひとつくらい“誰にも言ってない秘密”がありますよね。

でも、それを知っても笑い飛ばしてくれる友達がいるのなら、

その秘密は、きっと大事な宝物になるのかもしれません。

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