第31話:「みゆきと、放課後のチャレンジ大作戦」
今回はみゆきが主導! 学校にまつわる“七つの謎”に挑むという、ちょっぴり不思議で、かなり騒がしい一日です。
正体不明なものに一生懸命になるのも、彼女たちの日常の一部です。
「今週中に、校内の“七つの謎”を全部解明するぞーっ!」
放課後の教室。机の上にノートを広げて、みゆきが勢いよく宣言した。
「え、なにそれ、学校にそんな都市伝説あったっけ……?」
ことはが怪訝そうな顔で尋ねる。
「あるある! ほら、“音楽室のピアノが勝手に鳴る”とか、“理科準備室に誰かいる”とか!」
「それ、だいたい幽霊系じゃん……」
かえでが青ざめる。
「だいじょーぶ!私は幽霊より、テストの点数の方が怖いから!」
「……それは間違ってない……かも」
ことはは小声で同意した。
■謎1:「階段が一段増える説」
「下から数えると13段、上から数えると14段……マジで!?」
「数え間違いだと思う」
■謎2:「家庭科室の人形が動いた」
「見てこのマネキン!肩に小さな“祈”って文字が……うわ動いた!」
「風だよ、風っ!!(半泣き)」
■謎3:「旧校舎の壁に“ありがとう”って文字が浮かぶ」
日が沈む頃、影に照らされた壁に現れた文字。
「ほんとに書いてある……!」
「これって誰かの落書き……?」
「それとも、元・生徒からのメッセージ……?」
「いや、光の反射でしょ」
(現実派・ことは)
■答えが出なくても
全ての“謎”を一通り追いかけたあと、三人は夕日に照らされたグラウンドのベンチに腰かけていた。
「……結局、ちゃんとした答えは出なかったね」
「でもさ、楽しかった!意味のないことに一生懸命になれるのって、ちょっと青春っぽくない?」
「うん、バカだけど、それがいいんだよね」
三人は顔を見合わせて、にっこりと笑った。
エピローグ:
その夜。みゆきは自分のノートを開きながら、ぼんやりと空を見上げていた。
ページには、今日一日で調べた“七つの謎”と、それにまつわる落書きや、ことはと、かえでのツッコミがびっしりと書かれている。
「……ぜんぶ、解けなかったなぁ。でも――」
“謎が謎のままで終わる日も、きっと、悪くない。”
彼女は静かにペンを置いて、眠る前にひとことつぶやいた。
「次は、なんのバカしようかなぁ……」
どこかで、また“新たな謎”が生まれている気がして、みゆきはちょっぴりわくわくしていた。
“答えがないからこそ面白い”って、ありますよね。
正解よりも、仲間と一緒に笑った時間の方が、きっと大事だったりして。
次回は、かえでがなぜか体育祭の代表に選ばれてしまうお話!?お楽しみに!




