第26話:「かえでと、1年生つばさの冒険ゲーム(リアル)」
“ちょっと不思議な1年生”が登場!
かえでと新キャラ・つばさのテンションの差が笑いどころです。
なにげにかえでのツッコミ力、最強かもしれません。
ある日の昼休み。かえでは廊下を歩いていると、制服の袖をちょんちょんと引っ張られた。
「先輩!かえで先輩ですよね!?」
見上げると、そこには目をキラッキラに輝かせた一年生の女の子。小柄で、元気そうで……妙に懐っこい。
「……誰?」
「わたし、1年A組の“つばさ”って言います!冒険者志望です!」
「え? 志望ってなに?職業なの?てか現実見よう?」
■突如始まるリアルRPG
どうやらつばさは、学校の中を“ダンジョン”に見立てて生活しているらしい。
この日は“伝説のレア消しゴム(多色)”を求めて、3階・準備室に潜入する計画を立てていた。
「かえで先輩!わたしのパーティーに加わってください!」
「……え?わたし、帰りたいんだけど」
だが、「先輩は“治癒系魔法”担当っぽいですし!」と言われ、なぜかその気になるかえで。
(“ぽい”って何よ……まあ、ついてくだけならいいか)
■準備室でのクエスト
3階の準備室前に到着。誰もいないはずなのに、中から物音が……。
「モンスターがいるかもしれません」
「いやそれ、先生でしょ。普通に」
恐る恐るドアを開けると――
「うわああああっ! ネズミィィィ!!」
「うぉぉぉ!! レベル40の“灰色のすばしっこいやつ”だー!」
二人とも大混乱。つばさは箒を構えて追いかけ、かえでは机の上に飛び乗る。
最終的に、近くの先生が現れ事態は収束。
だが――
■消しゴムは……
「ほら、見てください! 伝説の多色消しゴム!」
「えっ、マジであったの!? てかそれ誰かの落とし物じゃ……」
結局、名前が書いてあったため先生に届けて終了。
つばさは「クエスト失敗ですぅ……」としょんぼりしながらも、かえでに笑顔を向けた。
「でも、かえで先輩が仲間になってくれて嬉しかったです!」
「……まあ、暇つぶしにはなった、かな」
エピローグ:
放課後。校門前でかえでは空を見上げてつぶやいた。
「……あれで“冒険”って、ホント変な一年生……」
その時、スマホにメッセージが届いた。
《かえで先輩へ:次のクエスト、参加お願いします!》
添付されたのは、学校内にある“封印のロッカー”の地図。
かえではスマホを見つめて、一言。
「……しばらく退屈はしなさそうね」
こういう「ちょっとズレた後輩」って、いるいる!って感じですよね。
つばさは今後もちょくちょく登場します。かえでとの凸凹ペアにご期待ください!




