第19話:「みゆきと、屋上でひらひら哲学会」
今回は、ちょっと“哲学”風(?)なお話です。
みゆきの感性がさく裂し、屋上で始まるひらひら系討論会。
くだらないけど、ふと「それもありかも」と思える、そんな話をお楽しみください!
昼休み。春風が吹く屋上に、制服のスカートを押さえながら座るみゆき。
その隣には、なぜか小さな風車を手にしたかえでと、日傘を差すことはがいた。
「ねえ……“風”って、見えないのにあるって、不思議じゃない?」
「え、またそういう哲学的なやつ?」かえでが眉をひそめる。
「いや、わたしのスカートがめくれるたびに、“見えない風の悪意”を感じるんだよね」
「それ哲学じゃなくて、ただの被害報告では!?」ことはが真顔でつっこむ。
■屋上にて、風と戯れる哲学者たち
みゆきは、屋上の風を使ってなにかを証明したいらしい。
「この風車、ずっと右回り。つまり、私たちは“地球の自転を感じている”のでは!?」
「いやそれ、ただの風の流れでしょ」
「しかも持ち方逆だったから左回りだったよ、今」
「……なるほど、世界が逆だったか……」
「その考え方がもう逆なんだよ」
■テーマ:「見えないものをどう信じるか」
「“友情”とか“空気”とか“風”とか、“見えないけどある”ってすごくない?」
「うーん……見えないけど感じるから信じられる、みたいな?」
「じゃあ、“見えないおやつ”は? ほら、ことはが昨日持ってくるって言ってたやつ」
「それは見えないんじゃなくて、忘れたの!!」とことは大慌て。
■結論
・風は見えないけど、スカートはめくれる
・友情も見えないけど、腹筋は割れる(※笑いすぎて)
・おやつは、見えないとき、存在を疑われる
屋上に響く3人の笑い声と、ひらひら舞う風。
なんでもない昼休みが、ちょっぴり深くて、やっぱりバカだった。
エピローグ:
放課後。教室に戻った3人は、引き出しからおやつを探す。
「ねえ、やっぱり“見えないおやつ”って存在しないよね?」みゆきが真顔でつぶやく。
「うぅ……それ言わないで……忘れた私が一番つらい……」ことはが机に突っ伏す。
かえでは、静かにポケットからラムネを取り出し、2人に渡した。
「見えるおやつは、信じられるからいいね」
「なにその名言……!」
3人の手のひらにのる、小さなラムネ。
今日はそれが、見える友情のかたちだった。
「風って何?」なんて問いかけが真剣に見えて、でもすぐ笑いに変わるのが、彼女たちの魅力。
“中学生哲学”って、実はちょっとだけ真理を突いているのかもしれませんね。
次回も、ほんのり知的(?)でバカっぽいエピソード、お楽しみに!




