第16話:「みゆきと、購買ダッシュの仁義なき戦い」
こんにちは!
今回は、購買部の人気パンをめぐる、みゆきの激しいバトル(?)を描いたお話です。
普段おっとりな彼女の、戦う姿(とじゃんけんの弱さ)をどうぞお楽しみください!
チャイムが鳴るやいなや、みゆきは立ち上がった。
「勝負は、始まってる……!」
今日こそ、人気No.1の“焼きそばパン”を手に入れると心に誓い、
教室を飛び出した。
目的地は——購買部。
■11時30分:戦いのゴング
「焼きそばパン、残り……あと1個!?」
購買の前にはすでに列。しかも、あと数人。
「ぐっ、あの男子……! 毎回、先越されるっ!」
すると、後ろから声が。
「……運命の対決ね、みゆき」
現れたのは、2年のライバル・九条りのあ。
品のいい雰囲気なのに、購買前では豹変する“焼きそばパンの鬼”。
「今日は負けない。これがわたしの青春なんだから!」
みゆきは心で泣いた。青春、そこに使うんだ……。
■11時32分:ダッシュの応酬
先頭の男子が「メロンパンでいっか」と退いた瞬間——
「今だッッ!」
みゆきとりのあ、同時に飛び出す!
購買のおばちゃんが言った。「あ、これで最後ね」
「ください!!」「くださいっ!!」
……結果、同時タッチ。
「はんぶんこに……する?」
「え? や、やさしい……」
まさかの友情フラグかと思いきや——
「じゃんけんで、どっちがどっちの半分を取るか決めましょう」
「うん……やっぱ怖いわ、りのあさん……」
■昼休み:勝利と敗北
みゆきは、じゃんけんで“具の少ない端っこ”を引いた。
「……でも、焼きそばパンは焼きそばパン。勝ったも同然!」
ことはとかえでは、みゆきの戦果に感動(?)して拍手。
「よく戦った、みゆき……」
「これが購買部の世界なんだね……」
そして、3人で昼ごはんを囲む。
「いただきまーす!」
焼きそばパンの味は、きっと今日も青春の味。
エピローグ:
放課後、帰り際のみゆきは、購買部の前で立ち止まった。
「……あの戦いの余韻、まだ残ってる気がする……」
ことはがツッコむ。「なんで名残惜しそうなの!?」
かえでがスマホをいじりながらぽつり。
「購買パン勝率、みゆき現在1勝7敗……」
「記録つけてたの!?」
みゆきはふふっと笑って、空を見上げた。
「でも、勝った。今日は、勝ったんだ……!」
そうつぶやくその顔は、まるで勝利をかみしめるボクサーのようだった。
(※じゃんけんで負けて、端っこ食べた人です)
次の戦いは、きっと近い——。
青春、焼きそばパンに燃える。
中学生の購買部って、なんであんなに戦場感あるんでしょうね。
今回は、焼きそばパンをめぐる小さなドラマでしたが、そこに本気で挑むのが青春。
ライバル・りのあちゃんも今後また出てくるかも? 乞うご期待!




