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3.キジン

鬼人キジン!?」


「あぁ。鬼人キジンは私たち鬼人オニビトと元々同じ種族の鬼族なんだ」

「人間族に好意的な者達を鬼人オニビト、人間族に害する者達を鬼人キジンと呼ぶ」


「人間に危害を加える者もいるの!?」

カズトは驚き聞き返した。


「いる。ここ数年その被害が増えてきている」


「そんなことが起きていたなんて...」


「そうだ。そして被害にあった人間族には共通点があった」


「共通点?」


「...あぁ。本人を前にして言いにくいのだが...」


「...」

カズトは息をのんだ。


「共通点は...黒いモヤが見えている者たちということだ」


「...え」

カズトを含めその場が沈黙した。


「カズトさん五感って知っていますか?」

ニコが話はじめる。


「五感とは通常、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚のことを指します」

「古来の人間族は、この五感とは別に六感、七感と五感以外も持っていました」

「ただ、現代の人間族のほとんどは五感以外を失ってしまっています。でも極稀に五感以上を感じ取れる人間族が存在します。それがカズトさんあなたです」


「おれが!?」


「はい。五感以外を感じ取れる=鬼族を認識できるということになります」


イチカが続けて話はじめる。

「そしてカズト。自分では気付いていないと思うが、お前は、その持っている能力が増しはじめているんだ」


「...たしかに最近、黒いモヤを見る機会が増えた気がする...」


「あぁそうだ。それと決定的なことがある。わたしやニコの事をすぐ把握できたことだ。通常の人間族では私たち鬼族の存在を認識すらできないからな」


「...おれにそんな力が」


「ただな...逆にいうとその力は、鬼人キジンからも自分達が見えるということを教えてしまうことになる。そして、見えてることに気付かれると鬼人キジンの攻撃対象になってしまう」


「えぇ!」


「今日はそれをカズトさんにお伝えしようとおもい、ここにお呼びしたんです」

ニコが悲しそうに言う。


「...俺はどうすれば...?」


「残念ながら対処法はない...鬼人キジンに自分達が見えてると認識されたらそこで終わりだ」


「...そんな」


「カズトさん!私たち鬼人オニビトはあなた達のような鬼人キジンからの被害をなくしたいのです。私たちと共に戦ってくれませんか!」


話を聞いていたフタバも話はじめる。

「カズト。わたしも鬼人キジンに襲われたんだ。それをイチカとニコに助けてもらった。だからわたしは鬼人キジンを倒すためイチカとニコに協力することにしたんだ。」

「どちらにしても...何もしなければ、いつか鬼人キジンの餌食になるだけだから...」


カズトは少し考えて重い口を開いた。

「...そうだね。遅かれ早かれ鬼人キジンに認識されてしまうのであれば...自分の身を守れるようにしないと...いけない...」

「...分かった!俺やるよ!」


「よかった...」

ニコが泣きそうにながら呟く。


「まぁ今すぐに鬼人キジンに認識されるということはまずないだろうから安心しろ。まだお前は鬼人キジンをはっきり見えていないみたいだしな」


カズトは半べそをかきながら聞き返す。

「...どれくらいで鬼人キジンを見えるようになっちゃう...?」


「そうだな。何とも言えないが、お前が強い力の持ち主でない限り今すぐってことはない。お前にそんなに力はなさそうだしな。あと弱そうだし。まぁ上位の鬼人キジンに会わない限り」

イチカは少し笑いながら答えた。


フタバもイチカに合わせるように少し笑いながら話す。

「たしかにカズトそんな強くなさそうだもんねぇ〜」


「ひどいよぉー...」

カズトは半泣きになりながら答えた。


そのあと、これからの諸々の説明を受け、翌日から学校帰りに鬼神社へ修行に来ることになった。


「カズトさんまた明日」


「ニコちゃんまた明日ー!宜しくね!」

そう言って今日は解散となった。


そして翌日の学校帰り、鬼神社へ向かう途中事件が起きた。


「ネェ、ギミ、ワタジノコトミエデル?」



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