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さらに進んでいくと二股に分かれているところがあった。
どうしよう・・。
「ねね、これって宝箱取り忘れないのどっち?」
こういうときはズルをするに限るよね。
「おまえなー。自力でクリアするぜ!って意気込みはないのか?」
「ふふふ。どっちだと思いますか?」
呆れたようにいうラジェに黒いアーチェさん・・。
「また戻るの嫌なんだよ~。ボスじゃないのどっち?」
ニコニコ笑うアーチェさんがキラッと笑って言った。
「人にお願いする態度がなっていませんね」
ぐぅ。
「そうだな。ラジェ様、アーチェ様、お・ね・が・いvって言ってみろ」
ラジェまで調子に乗りやがって、と思うがしょうがない。
めッちゃ可愛く言って悩殺してくれるわ。
短剣を一旦しまうと、メイドリアンローブを整える。
手を前で組んで祈るような体勢をとりつつ、小首をかしげて上目遣いに見つめる。
二人の空気がなんだか怯んだのを感じたけど、そんなの知らない。
できるだけ可愛く言ってみた。
「おねがい、おしえて」
「ぐはぁ」
あ、ラジェが潰れた。
アーチェさんの笑顔が黒くなってキラキラしてきた。
ん。なんだか寒気が・・・。
「こいつはすごい破壊力だぜ。この俺が写真を撮れなかったとは・・・」
「ふふふ。かわいらしいですねぇ」
む、その辺の岩にかじりつくラジェも怖いけど、にじり寄るアーチェさんも怖い。
こんな時は逃げるに限る。
とりあえず左の道を選んで爆走してみた。
「こっちにする~。さらばじゃ~~~」
逃げ切れるかしら・・・。