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待たせたら悪いし、と少し小走りになりながら町長の家の前まで来た。
相変わらず町長は家の前にのんびりと立っている。
雨の日はどうするんだろう?
ちょっと気になりながらも、話しかける。
「町長さん、お願いされたカードを渡してきましたよ」
「おぉ、るしふぇさんですね。ありがとうございます」
ちゃらららちゃらーんとおなじみの音楽とともに体が光に包まれる。
武器屋のカード、防具屋のカード、道具屋のカードが消えましたとの声が聞こえた。
クエスト達成の経験値が入ってLVアップしたのかなぁ。これでLV4だね。
「これでこの村のことは一通り解かったと思います。しかしまだるしふぇは初心者ですから、この村の周りで敵を倒して経験をつむのがいいでしょう。村の北にある洞窟には強い敵がいるから装備が整わないうちには入らないようにしてくださいね」
ふむふむ。
それは装備が整ったら北の洞窟に行けってことですね。
しかし腰の低い町長だなー。
「さて、このベルトを差し上げます。がんばってくださいね」
初心者のベルトを手に入れたとの声が聞こえた。
ここで貰えるようになっていたのか。
クエ受けて正解だったね。
「ありがとー」
お礼を言い、さっそくバッグを開けて装備する。
スロットが2個だけ開いている。ここに挿しておくと取り出すだけでカードが実体化されるので戦闘時にいちいちバッグを開いてアルケマイズ キャンセルと叫ぶ必要が無い。しかもポーションなどは一つづつ実体化されるという優れもの。
早くポーション入れてみたいな。でもお金が無いしなー。
なんとなく、さっきカード化した砂のカードを取り出してさしてみる。
意味無いけど。
じゃあそろそろ村の入り口に行かないとねー。
「じゃあ町長さん、またねー」
挨拶をすると村の入り口に向かって走り出すのでした。