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第5話 学校のルール
この中学校には3つの面倒なルールがある。そのうちの一つが集団下校班だ。
ここ数年、学校周辺で誘拐や殺人などが増えたため、学校側が生徒を近くの家ごとにグループ化し、その班で帰らなければならないルールを作った。
ここまでは安全を考えれば必要だと思うが、中学生にもなってこんなルールが必要かとも思う。
問題は、下校中の会話が禁止されていることだ。
下校場所に各先生たちが配置されていて、話をしていると怒こられる。
理由は車の音や、助けを求める声などを聞こえやすくするためらしい。
面倒だと思いながらも、先生に怒られる時間が無駄と考え、この学校のルールには従っている。
今日は職員会議があるため、全ての部活が休みになった。
下校班で家に帰り、父に泊まることを伝えてから、必要なものをリュックに詰め、自転車で千明の家へと向かった。