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アルガナイ…力を失ったルシファー 学園生活を謳歌する?  作者: T.T
最恐の策

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歴史の闇

 テストが始まる前の最後の授業。


「今日は、君たちに日本の歴史を話そうと思う。テストにも出ることだし、大事なことだからね」


 教科書を閉じ、教卓の椅子にゆっくりと座り話が始まった。


「1500年、日本は『純日本人』と『新日本人』と呼ばれるまでに分かれていた。(アルガナイ)を境界線に領土まで分けて、違う道を歩んだ。年月が経つにつれ、『純日本人』と『新日本人』の暮らしは大きく異なり、文化も価値観も完全に分断された。異なる環境と生活様式は人々の体質や特徴にも影響を与え、やがて両者は、もはや同じ国民とは思えないほどに変化していった。『血』すらも…………」


 *


「1940年、世界で戦争が起きた。完全に分断していた日本は、争いが激化するなかでも協力しなかった。その結果、『伝統を重んじていた純日本人』は軍事力で他国に圧倒され、領土を奪われた。日本の危機を救うためと『新日本人』は『純日本人』を加えて戦場へと進んだ」


 しかし、これは『新日本人』の策略だった。


「『新日本人』の武力は完全に敵に勝っていた。のにも関わらず、『純日本人』に武器を持たせ、特攻させ、一方的に戦わせた。そして、30歳以上の『純日本人』を全滅させたんだ。戦場で儚く散った英雄と看板を立てて、意図的に。全滅を確認した『新日本人』は降伏し、『新日本人』から犠牲をほとんど出さずに戦場から離脱した」


 この話をすると、教室が一気に静まり返った。誰もが知っているこの世界の歴史、もう繰り返してはならない歴史。


「何故こんなことをしたか……それは利益しかなかったからです」



「厄介な『純日本人』の高齢者層を排除したことで、それまで2対2の均衡だった領土は、降伏を機に敵国1、『新日本人』3という形で拡大した。しかも、『新日本人』を犠牲にすることなく、残された『純日本人』の若者を労働力(奴隷)として活用できたからです」



「そんな残酷な歴史を経て、1965年【神崎 心】という人物が総理大臣となった瞬間、日本は劇的に変わりました」


 【悠璃】先生の声は次第に熱を帯び、まるで【敬愛する親を語る子ども】のように目を輝かせていた。


「【神崎 心】は、無能な政治家たちを一掃し、真に優秀な者だけを議会に残したのです。日本を根本から改革し、さらに、世界中から卓越した才能を集め、日本をあらゆる分野で【世界の頂点】へと押し上げました」



「我々『新日本人』の祖先が犯した数々の非道は、人道に反するものであり、いずれ世界がこの国に牙を剥くのは避けられない運命でした。しかし、それでも我々が今こうして生き延び、世界から見放されることなく存在できているのは【神崎 心】が日本を価値ある国へと変え、『新日本人』の存在意義を示したからです」


「先生、やはり、『純日本人』は絶滅したのでしょうか?」


「そうですね。30歳以上の『純日本人』は戦争でいなくなり、30歳未満の『純日本人』は奴隷として働かされ、いなくなりましたから。絶滅、そういって間違いないと思います…………忘れてはならない歴史です。皆さんが明日のテストで高得点を取ることを期待します」


 ここまでが、テストの前日に聞いた話。

 俺は自分の席で黙って聞いていた。目の前にいる【悠璃】がどういう人物なのかを慎重に観察していた。


 テストが終わった俺たちは、いよいよ体育祭が始まろうとしていた。


ーーーーーーーーー

*作中に登場する人物のほとんどは、『新日本人』です。


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