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World Creation Online  作者: Wiz Craft
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  S10 ほんとうにごめんなさい

S10 ほんとうにごめんなさい


 創世暦元年 4月1日

 GOD:Luna 惑星:Luna Lee


§ルナより、ご視聴いただいているみなさまへ§


 訳あって今回は色々と編集させて頂いてます。

 なるべくありのままを伝えたいので今回はこのような形をとらせて頂くことにしました。

 ただ、みなさんに謝らなくてはいけないのはこの実況ログは中断せざるを得なくなりました。

 思い返すだけで……本当に悔しくて……涙が出てくるんですけど。

 全てはわたしのせいです。今回の件についての責任は全てわたしにあります。

 だからはじめに謝らせて下さい。ほんとうにごめんなさい。


 ■4/1ログ


 じゃじゃーん。さあ、チェリオ。今日は森へ行きますよ。

 ほらほら、早く。走って下さい。ここまでおいで。

 じゃ、森まで競争ですよ。よ~い、どん!


 あ、チェリオ早い。待ってください。

 あはは。でも後ろ姿が可愛い。後ろを追いかける立場も悪くないですね。

 って、ちょっとチェリオ。早く……ないですか。追うのが……辛い。

 あなた両足で飛び跳ねてるのになんでそんなに早いんですか。

 本気ですね、わかりました。ならばわたしも本気になりますよ。


 はぃぃぃぃ!!!


 追いついた。ほら抜きますよ。

 へへ~んだ、わたしに勝つのはまだ十年早い。

 ご主人様を舐めるんじゃないですよ。

 この際ですからはっきりと教えてあげっ!?

 おおぉぉぉ!! チェリオが加速しました。すごいスピードです。

 加速前にチェリオの瞳が燃え上がったように見えたのは気のせいでしょうか。

 どうやらわたしがチェリオの闘争本能に火をつけてしまったようです。


 なんて子ですか。

 こんな光速ギアを隠し持っていたなんて。

 あなたが戦闘でこのスピードを出してくれれば無敵でしょうに。


 という……わけで……ですね。森へ……ついたの……ですが。

 ああ、息が切れて……酸素が……足りない。


 チェリオ、あなた……どうしてそんな平然としてるんですか!


 しばしの休憩を……。


 さて……呼吸を落ち着けたところで今日の本題へ。

 わたしたちが今日浮かれているのには実は訳があります。

 理由を知りたいですか? どうしようかなぁ。

 チェリオ、どうしますか。みなさん知りたいようですよ。

 そんなに知りたいですか。しょうがないですね。

 実はですね。なんととうとうアップルキートンを購入したんです。

 高かったんですよ。720ELKもしたんですから。うふふ~、おかげでレベルはわたしもチェリオもLv3になっちゃいました。


 念願のマスコットキャラをついにゲットできる日が来ました。

 もう購入してからずっとワクワクとドキドキが止まらないのですが。

 アップルキートンはオブジェクトセットモンスターという特殊なモンスターで林檎の木と一緒に配置してあげないといけないんです。

 なのでラヴィの森の中央に林檎の木を一本とそこにアップルキートンを一体配置しました。


 林檎の木までは歩いてすぐです。

 それでは早速ご対面と行きましょう。


 さて、居ますでしょうか?

 居ました居ました。ああ、オレンジ色の頭巾をかぶって、ずんぐりむっくりしてて可愛い~。

 抱きしめたくなりますね。


 この日をこの瞬間をどんなに待ち侘びたことか。

 さあチェリオ。一緒に行くよ。

 アップル~、抱かせて~!


 あれ、ちょっと。待ってください。

 高枝バサミをこちらに向けてませんか?


 え、わたしたち戦う気ないですよ。

 なんで。明らかにこれは戦闘態勢じゃ。

 もしかして、アップルキートンってアクティブだったんですか?


 嫌だ、ちょっとハサミ向けないで下さい。

 止めて下さい。戦う気はないですから。

 痛い! お腹を突かれました。

 なんですか、この攻撃力。一撃でHPがレッドゾーンに……


 そんなちょっと待って。ひどいです。

 このままじゃ死んじゃいます。動かなきゃ。

 逃げなきゃ。


 でも足がすくんで。

 嫌です。死にたくないです。


 チェリオ、どうしよう。

 助けて!


 チェリオ、どこ行くの?

 もしかして。


 止めて、チェリオ!

 あなたじゃ勝てないよ!

 行かないで!


 チェ……リ……オ。


 嫌だ、嫌だ。

 チェリオが……。


 嫌だよ、チェリオ。


 お願いだから戻ってきて!!


 行かないで! お願いだから消えないで!!


 チェリオ!!!



 これがことの始終です。

 あまりに突然のことだったので、わたしは何もできませんでした。

 ご覧のとおり、全ての責任はわたしにあります。


 この世界ではプレイヤーと違ってモンスターは生き返りません。

 一度きりの命なんです。

 なのに、どうしてもっと注意してあげられなかったのか。

 どうしてアップルキートンがアクティブだと調べなかったのか。

 わたしが助けて、なんて言ったばかりに。

 チェリオはわたしを守るためにアップルキートンに一人向かって行って……!

 どうして、どうして。後から後から後悔だけが募ります。


 チェリオは光と消えました。

 これはもう取り返しのつかない事実なんです。


 短い時間だったけどチェリオと過ごしたこの二ヶ月は本当に充実していました。

 毎日がまるで夢のようで。


 本当に残念ですけどチェリオが居なくなった今、わたしにはこの日誌を続けていくモチベーションがありません。

 最後になりますが、ここまでご視聴頂き本当にありがとうございました。





 ちゃちゃん ちゃんちゃん ちゃちゃんちゃんちゃん

 ちゃちゃんちゃちゃららら~


 主演:ルナ

    チェリオ

 悪役:アップルキートン

 エキストラ:森のラヴィのみなさん


 はい、というわけでルナ劇場をご視聴頂きありがとうございました。

 今回、十回目の実況放送ということで姑息な演出をしてみました。

 みなさん今日が何の日だか知ってますか?


 そうです、エイプリルフールなんです~。

 チェリオはわたしの隣でピンピンしてます。

 あう、缶を投げないで下さい。危ないです!


 う~ん、今回の日誌はみなさん後味悪かったでしょうか。

 チェリオの死を題材に組んだ今回の演出はとっても悪趣味だとは思います。

 ただ、今朝なんですけど。わたしチェリオが死んでしまう夢を見たんです。

 わたしの盾になって身体を張ったチェリオがよりにもよって大好きなアップルキートンに殺されてしまう夢です。

 本当に悲しくて、枕を涙で濡らして今朝は起きたんですけれども。


 ただ、これって予知夢だったのかもって。

 今朝の夢を見てわたし慌ててアップルキートンについて調べてみたんです。

 そしたらLv3のモンスターの中では異常なまでにステータスが高くて、さらにプレーヤーに対しては敵対的なモンスターだったんです。

 もしわたしが浮かれた気持ちのままアップルキートンと会っていたら、この夢は間違いなく実現されていたと思います。

 まだ実際はアップルキートンを買うお金すら無い状態なんですけれども。


 わたしこの夢を見て色々考えました。

 今回は夢だったからまだいいですけど、ちょっとした不注意が本当にこんな悲劇を生み出してしまうかもしれない。そう考えたらとっても胸が苦しくなって。

 トレーナーはモンスターの命を預かる立場なんだってことを改めて再認識させられました。

 チェリオのトレーナーとして、そしてパートナーとして。

 これからはもっと慎重に、チェリオを大切にしてあげたいと思います。

 

 というわけで当然ですけれども日誌はまだまだ終わりません。

 また次回の日誌でお会いしましょう♪


 ここでお知らせがあります。

 五月から六月にかけてわたしの家はリフォームをするのですが、うちの家族はマンスリーマンションへ引越しします。とても残念なんですけど、引越し先にスペースをとるVR筐体は持っていけないのでその間はプレイすることができません。


 なので次回の日誌はリフォームが終わった六月以降になります。

 その点、ご了承頂けたら嬉しいです。


 では最後になりますが、今回はほんとうにごめんなさい(笑)

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