◎Playing 0/1/24 : 『ディザーナイフ』 God:Robin
創世暦元年 1月24日
サイト:World View ターゲット:Robin スタイル:Standard
惑星:Biper Dust
白銅の輝きは美しい。刃の煌きがダメージという決定力を帯びている事も事実。
凶器としての役割を忠実に果たし得るパートナーを手に、漫ろにかつての旧友を自然と懐かしんでしまうのはロビンの手落ちだ。
武器を満足に操る事が出来なければ狩りもままならない。
たとえ性能としてかつての武器を上回っていたとして、引き出す事が出来なければ劣る。
使い勝手を左右する要素は色々ある。ブロンズナイフとディザーナイフの刃渡りの差はたったの二センチ。だがその二センチが重心をずらす。当然、青銅と白銅では質も違う。色合いだけではなく、銅に溶かし込む錫とニッケルという二者択一で合金としての特性も変わる。
ロビンが選んだこれらの短剣はシースナイフと呼ばれる種に分類される。
シースナイフは刃を示すブレードとタング(持ち手であるハンドルにブレードを固定する止め具)が一枚の鋼材で出来ている為、衝撃に強い特性を持っている。
だが当然、同じ種であっても武器としては別物になる。ブレードの型も変われば、エッジの砥がれ方も変わる。質の違いに敏感であればある程、それは違和感となって現れる。
サバイバルナイフをコンパクトサイズに纏めたブロンズナイフに対して、新調したディザーナイフについてはユーティリティータイプ。いわゆる登山ナイフなどの用途に使われるように万能型のブレードと為っている。
重ねるが質として万能を誇っていても、実際問題として扱う者がその能力を引き出せないのであればゴミ程の価値にもならない。
ロビンはその時、ハニーメイカーが戯れる森の中に居た。
新緑の木漏れ日の中で、重なり合う木々の隙間から漏れる明りにそっとナイフの銀光を重ねる。
達人は武器を選ばない。何故ならば達人はどんな武器の性能でも自在に引き出す事が出来るからだ。
その境地に到達しようとは思わないものの、ロビンにとって武器と親しむコツのようなものは是非教授を誰かに請いたいところだった。
先人が切り開いた道というものは何事においても尊い。独学よりは、師に習った方が上達は早い。
けれども当てがないのであれば、結局は自分で感覚を掴むしか道はないだろう。
君と仲良くなるには時間が掛かりそうだ、無言でロビンが語り掛けると刃は眩しげな輝きを返した。
一歩一歩と、君を知る事から始めよう、と。
何よりアバターを司る神として、自分自身の成長が必要不可欠である事を彼は悟っていた。