ю編集部あとがき
真っ暗で何も見えない。
誰かが言った。視界が閉じられているときは一枚の黒紙と白のマジックペンを想像するといい。ペンを片手に暗闇に向かって一本の線を引く。そこには白い道筋が通る。それが第一歩だ。
曖昧に黒地を仕切った一本の白線。これは何ですか? それは馬鹿みたいな質問だとは思う。だけれども、ここではとても重要なことだ。
想像力を失った現代の大人たちはきっとこう答える。
私には一本の白線にしか見えません。
至極真っ当であるその答えは誰にも否定できない。大人たちは知っている。これは一枚の黒紙に引かれた、ただ一本の白線にしか過ぎないことを。だから明確に一様の答えを割り出せる。
だが同じ質問をまだ言葉を覚えたての幼児たちに尋ねてみたらどうだろうか。
彼らはきっとたかが一本の白線に実に多彩な答えを出すと思う。
ある子供は流れ星と答えるかもしれない。ある子供はロケット、またある子供はイルカと答える。おそらくは子供の数だけ答えが返ってくる。
何故か、決して彼らはただ好きな言葉を思いつくままに並べているのではない。もちろん全てではない。けれども彼らの中には確実にたかが一本の白線に具体的な形を見出している子供が居る。
これは人間が生まれつきもっている貴重な潜在能力の一つだ。
人間が高度な文明を築くことができたのもここに由縁するところが大きい。
だが悲しいかな、人の想像力は年を老うごとに段々と失われて行く。
皮肉にも人はいつしか自身が生み出した大きな枠組みの中でこの力を封印することになってしまう。それが今の現代社会だ。
今一度、人は原点に立ち戻るべきだと思う。
失われた力はすぐには取り戻せない。けれどもその意志を持つ限りは、必ず生まれるモノがある。
想像は創造を生む。そして創造は希望を生む。
まずは想像することから始めよう。
もしそこで希望のビジョンがはっきりと感じられないのであれば、迷うことはない。
何本でも線を引くといい。縦に横に、無造作に掻き乱した線が生み出す軌跡や交点の数々がいつかきっと希望の具体的な形を見せる。
大切なことは望むことなんだ。だから恐れずにペンを取ろう。
想像の先にきっと希望があると信じて。
このWorld Creation Onlineはそんな純粋な気持ちを呼び覚ましてくれる。
週刊Gamer's World 編集部 悠木 努




