6キス デートは小学生としたい
俺は今警察署にいる。目の前にはおじさんという名の警部が頭を抱えている。
『お前...戻ってきたのか。もうやらないって誓ったじゃないか。』
俺は無言で考える。黙秘権バンザイ!とかどうでも良くて、もうやらないなんて言ってない。え?なんでこの主人公は何度も警察署に行ってるの?そう思った?いやね、俺は悪いことしてないんだよ。読者のみんな聞いてくれ。この事態を。
今日は柚子に誘われて水族館に行ったんだ。俺は女子児童にモテモテな罪な男だと我ながら自覚した。大きな魚に食べられそうになったりアザラシやオットセイ、イルカなどに追いかけられながらも充実した時間だった。それなのに酷いことがあったんだ。柚子がまたまたトイレに行ってる時に事件は起きた。俺はベンチで座っていただけなのに背の低いサイドテールの女子小学生が転びそうになったんだ。それを助けようと腕を伸ばしたら運悪く平らな胸に手が当たり揉もんでいたのだ。ただのまな板。まだまだ頑張りましょうといったところ。声にならない悲鳴をあげたサイドテールにキックされて気絶した。気がつけば警察署だった。わかるでしょ?俺は悪くない。全くイヤになっちゃうぜ。ちょうど今、柚子が警察署に来て状況を説明してくれてあっさり釈放された。
2人は警察署の前の道を1歩ずつ歩いていく。柚子が会話を切り出す。
『お兄ちゃんはどうしてこんなにも酷い目に遭うのですか?』
柚子の視線が痛い。
『ははは...なんでかなぁ。』
『せっかく、お兄ちゃんと2人きりで楽しくしていたのに...』
マズい。幼女を泣かせるなんて俺は男として失格だ。
『柚子!俺とデートしようぜ!!』
思わず声に出た。
『デ...デート!??』
柚子は動揺している。だが、何を隠そう今1番動揺しているのは俺だ。なぜなら年端のいかない女子小学生にデートを申し込んだからだ。しかも勢いで手まで握っている。赤面した柚子が小さく頷く。俺はロリを前に、かっちょいい笑みを浮かべた。
『ぐへへ...ぐへへへ...ぐへへへへ』
柚子の顔は赤面しながらもどこか引いている気がしたが気のせいだろう。