5キス 男は誰もが幼女を妄想する
俺は今保健室にいる。今朝は檸檬にしてやられた。炭酸飲料を5本同時に飲んだから、尿意が近くなり、おトイレを行ったり来たりして現在に至る。しかし、保健室というのは妄想をするのに最適な場所だな。幼女たちのことを考えて俺のハンサムなお顔が緩んでも咎める者が誰もいない。男は誰もが幼女を妄想する。思う存分、柚子たちの水着姿や体操服を思い浮かべるぞー!
『ぐへへ。ぐへへへ。』
『誰かそこにいるの?』
『幼女っ!?』
おやおや。俺としたことが保健室で吐息を漏らし、そのことに気づいた誰かが近づいてきた。今この保健室には先生がいない。俺はベッドで横になっており、周囲をカーテンルームで覆われている。カーテンの向こうには声をかけてきたと思われる人影らしきものが見えた。
『コケコッコー!!』
俺は咄嗟とっさに鶏の真似をして追い払おうとした。だが、それを物怖ものおじせず相手はカーテンを開けた。
?『もしかすると柔谷麓介くん?』
『え?うん。いや、違うかも!』
俺は不審者を退けようとした。
?『ウソ!この髪飾りに見覚えない?』
俺は相手を直視した。視線の先には背が152cm程の苺の髪飾りをつけた赤髪長髪の女の子が立っていた。俺は苺の髪飾りに見覚えがあった。
『入学式の日に俺が職員室に届けたものだ!』
『そう!思い出してくれた?私は八水苺よろしくね。』
『柔谷麓介だ。よろぴく。さっきは動揺しちゃったんだ。』
『ふむふむ。』
『しかし、どうして俺が苺の髪飾りを届けたことを知ってるの?』
『先生から特徴を聞いたの。身長175cmで体重は69kgのベッカムヘアーの男の子ってね。』
先生情報与えすぎだろ。体重は必要ないだろうと思いつつ返事した。
『そ、そうか。よくわかったな。』
『わかるよ。麓介くんは私の王子様だから。』
『ん?それはどういう…?!』
突然、苺がベッドの上で俺を押し倒す。俺は混乱しているが確かなことが1つある。それは苺の制服のスカートがめくれて綺麗な白い太ももが肌を覗のぞかせ、こんにちはをしている。あぁ…パンツが見えそう。おっと、いけない。いけない。俺の最愛は幼女だ。推しは女子小学生だ。強い気持ちで我に返る。
『王子様って?』
『昨日、占い師に言われたの。あなたの苺の髪飾りを拾った男は運命の王子様かもしれないって。』
『かもしれないってなんだよ!?しかも昨日なの??』
『うん!』
『とんだインチキ占い師だな…づっ…。』
ベッドに押し倒されている俺は身体をグッと抑え込まれる。本来なら男の腕力で女子高生を吹き飛ばすくらい容易いのだが、今の俺は体調不良だから保健室にいる。
『じゃあこのままキスしようか。』
苺の唇が接近してくる。口と口の距離わずか1cm。このままではファーストキスは高校生になってしまう。
『あなたたち何やってるの?』
保健室の扉の前に不気味なくらい笑顔の檸檬がいた。
『誰?』
『それはこっちのセリフよ。檸檬の麓介ちゃんに何していたの〜?』
修羅場だ。
保健の先生『ただいま。あら?どうしたの2人とも?柔谷くんのお見舞い?』
『はい。そうです。』
苺は笑顔で頷く。
『つまんな〜い。麓介ちゃんまた今度ね♡』
やれやれ。保健の先生が帰ってきてくれて事なきを得た。命が救われたぜ。