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第二話 食事と今後の予定




 食堂に来た俺達の前に現れたのは細長いテーブル群だった。

 その上に置かれた豪華で、食欲をそそる匂いを漂わせた料理の数々は、今すぐに椅子へと飛びかかりたくなる程の甘美な匂いだった。

 すると周りが五月蝿くなった。


「おおー!! すげぇぇ! なにこれ、全部旨そう」


「確かに! ……でもなにかの料理に似ているような……まあいっか。それより食うこと優先!」


 そうやって皆口々に感嘆を溢しながら椅子に座った。




 一足先に食堂に来ていた王女は皆が座ったのを確認するとゆったりとした口調で話し始めた。


「改めて、こちらの世界に呼びよせてしまって申し訳ありませんでした。

 これから貴殿達を国賓として扱っていきたいと思っています。よってできる限りの援助を行っていきたいと考えております。

 この宴会は貴殿達を迎えいれるためのものなのでどうか気楽にしてもらいたいです。

 それでは……」


 すると王女は辺りを見回した。数秒程見回した後、グラスを目よりも少し高いところに掲げた。その行動を見た俺達は慌てて同じ行動をとった。


「乾杯!!」


「「「乾杯!!!!!」」」


 王女の一声と俺達の一斉唱和で宴会が始まった。


 それから俺達は宴会が閉幕するまで騒ぎまくった。理由は色々とある。だが、一番はやはり心の何処かから溢れでてくる不安を誤魔化すためだろう。それもその筈。突然全く知らない世界、異世界に転移されて故郷に戻ることが叶わなくなってしまった。なんなら戦えと言われた。そりゃあ不安が溢れに溢れでる。俺もその内の一人だ。


 そんなこんなで俺達は宴会へと身を投じていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 宴会が終盤に差し掛かった頃。俺は食堂の扉を開けて右側に見える扉を開き、ベランダに出て風に吹かれていた。


「ふぅ……月はこの世界にもあるんだな。」


 ベランダで溜め息をつき夜景を眺めていると、ベランダの入り口からカズが疲れかけの顔でやって来た。


「ここにいたのか真助。さっき王女の執事っぽい人が明日からの日程を説明するから集まってほしいとさ」


 カズは左右に少し揺れながらたんたんと話した。まるでさっさと来いと言わんかばかりに早々と。


「そうか……わかった。すぐに行く。」


 俺は疲れた声で返答し、扉へと向かった。そしていまだ興奮が冷めやまらない宴会場へと戻るため、ドアノブに手をかけた。






 宴会場でバラバラに集まった俺達を前に、質素な格好をした人が壇上に立っていた。彼は今日の昼、王女の隣でずっと立っていた王女の執事っぽいだ。

 すると彼は早口で話し始めた。


「皆様方初めまして。私の名前はヌエタイと申します。王女の執事を務めさせていただいております。それでは早速ですが今後の日程についてお話ししていきたいと思います。」


 ヌエタイと名乗った執事がなにやら操作すると、黒板のようなものが現れた。


 これの名前は魔法板というらしい。見た感じ、現代で言うところのスクリーンに似ている。しかし決定的に違うのは映すために必要なパソコン等の媒体がないところだ。……環境にいいな……これ。


 そして魔法板には白色の文字でこう書かれていた。


 【明日】

 朝 朝食後、ポイント振り分けの解説・実践

 昼 昼食後、訓練開始

 夜 食堂でご飯を食べた後、部屋で筋肉トレーニング

      ・

      ・

      ・


「それでは詳しい説明に入らせていただきます。先に言っておきますが明後日からの日程はこのような時間滞ですので割愛させていただきます。


 皆様には朝八時に起きていただきます。その後食堂で朝食を食べた後、訓練場でスキルポイント振り分けについての説明をさせていただきます。

 食堂で昼食を食べたいただいた後再び訓練場に赴き、騎士の方々と一緒に訓練をしていただきます。

 訓練後、水浴びをした後に食堂で晩御飯を食べていただきます。食べ終わりましたら部屋にお戻りいただき、就寝。といった予定となっております。」


 ヌエタイさんの簡略化しましたよ感半端ない説明を聞いた後俺は隣にいたカズに話しかけ、感想を言い合い始めた。


「思ってたより普通の予定だったな。少し安心したよ」


 カズはやんわりとした口調で言った。


「そうだねかず……ふわぁぁ、眠い。」


 俺は大きな欠伸をしながら答えた。

 その後俺は、伸びよく手を挙げた。そして俺はヌエタイさんの所まではっきりと聞こえる大きな声で発言した。


「ヌエタイさん! 眠くなってきたのでそろそろ部屋に戻ってもいいですか!?」


 それを聞いたヌエタイさんは顎に手を当てて少しの間考えた。数秒経過した頃、彼は口を開いた。


「そうですね、もうこんな時間ですし……わかりました。それでは皆様方。説明はこの辺りで切り上げて部屋にご案内致します。」


 そう言われた俺達はここに来たときと同じように騎士の人達に各自の部屋へと案内された。因みに俺はこの間に部屋と食堂を結ぶ道順を覚えた。


 部屋に入った瞬間、今までの疲れや安堵が一気に押し寄せてきた。そのせいだろう。俺は息つく間もなく手触り最高でふっかふかのベットに倒れこみ、そのまま眠りについた。そう、一瞬で。

最後まで読んでくださりありがとうございます。ブックマークと評価をしていただけると幸いです。作者のモチベーションに繋がります。


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