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童話系

流行は閃光のように

作者: 北田 龍一

 ネット上では、大量の流れ星が降り注いでいます。

 それは一瞬激しく様々なネット媒体に拡散され、激しく人の心に焼き付くモノを残す。 このタイトルに惹かれたのなら……多分黒タイツのカボチャの頭が、愉快に踊る光景が思い浮かんだのだろう。


 そんなつもりはなかったモノも、人の心と反応すれば……不思議な語録に早変わり。愉快な映画だけじゃない。色んな物が、色んな光を放っていく。不思議な事に一度定着すると、まるで瞳の奥に焼き付いた光のように、時々ネット上で復活して飛び交う言葉たちだ。


 古くからあったソレは、今はどこで何が起こるか分からない。時には不謹慎だったり、笑えないものもあるけれど……一度流行り出すと人々は止まれない。

 記者会見の場面で、大人の議員が大泣きしながら謝罪したり

 二十一歳の男の人が、小さな子供たちに拳で抵抗しようとしたり

 流行言葉も巻き込んで、何かの拍子に人々に広がっていく。

 時々狙って作られる物もあるけれど、そうして作られた作品は三か月ちょっとで転んでしまったり。何が人を駆り立てるのか――それは全く分からない。


 主人公の兄が煽られるセリフが、大量に流行ったり。

 通販でのオバサンが、水筒を開ける時のキャッチコピーを適当に使ったり。

 楽しい仲間、素敵な動物たちが愉快にぽぽぽぽーん!

 それは自由か無秩序か。本来の意味も言葉も忘れて、ただ語感のまま人々は想像力を爆発させる。一瞬でネットの海で光を放って、燃え尽きて、瞳の裏に残る言葉の流れ星――インターネット・ミーム。


 それは、いつから始まったのだろうか?

 それは、どこからやってきたのだろうか?

 ふとした拍子に目につくそれは、不思議な魅力を持っている。何がどう面白いのか……と言われるとよくわからない。けれど何も知らなくても、気が付いたら夢中になって、覚えていて、そしてHAHAHA! と、笑いだしている自分と、同じような人たちがいた。

 偽物の裏ワザに騙された人が、マンガの誰かのように相手を糾弾したり

 重要なキャラクターが死ぬ時の姿と音楽が、なんでか妙にイジられていたり

 オイシイ素材を落とすボスキャラを、何度も何度もボコボコに倒したのに……決して殺したいわけじゃなかったと、意味の分からない供述をしたり

 主人公の突拍子もない発言が、妙に耳に残って人々が使い始めた事もあった。

 

――これまでも沢山流れて来た、人々の心に残る言葉の流れ星は、これからも流れ続けるだろう。一瞬の煌めきと、僕らの笑い声と一緒に……


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[一言] 面白かったです!
2022/01/17 16:52 退会済み
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