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第8話 おぞましき光景

長い、本当に長い夜が終わりを告げた。明日の夜には絶対にツタを使って体を固定させようと心に刻み込んだ焔である。が、それよりも重大な問題が襲ってきている。


(マジで腹減ってきた。。これはヤバイかもしれん。)


喉は乾いてきてはいるが、木が高く所々光が差し込む程度で暑くはない。幸いこの場所の気候的にも涼しい場所のようで喉の渇ききるには時間がありそうだ。


(ゴブリンの集落今日か明日には陥落させないとヤバイな。)


そう考え、現在唯一の武器 木の棒(80センチ)を握りしめ足早にゴブリンの集落へと向かい、昨日と同じ場所から集落を観察する。すると全員が洞窟の中に入っているようで洞穴の周りにはゴブリンが1匹も居ない。どうやら自分は早く起きてしまったようだ。


焔は痛むケツをスリスリと手で撫でながら「だって、痛かったんだもん」とひとりゴチる。傍目から見るとハードゲイに襲われた哀れな男のソレであるが、ここは異世界であるため関係がない。


背後を気にしながら待つこと2時間(体感)。夜も格闘していた焔は寝そべりながらもゴブリンが活動するのを待っていた。


(お、出てきた。)


元気よく出てきたのは子ゴブリン達(6匹)である。まるで犬同士がじゃれあう様に遊んでいる。見た目醜いが正直微笑ましい。醜いが。その後に、大人ゴブリン達が出てきたのだが焔はその光景に衝撃が走る!


「ぜ、全員ボッキしまくっているやないか!」


完全な朝立ちである。全員がフルボしている。最後のゴブリンが頬に両手を添え恥ずかしそうに出てきていた。メスゴブリンである。子供がじゃれあっている側で男全員が全裸でフルボしている。その後ろで恥ずかしそうにしている女が一人。


(・・・・。)


もう何も思わないようにしよう。ちょっと愛着湧いてくる。この時、無心になったと後の焔は語っている。


ゴブリンの数を数えてみると子ゴブリンが6匹、大人ゴブリン20匹、メスゴブが1匹か。大人ゴブリンの中で少しだけ体格が良いゴブリンがいる。


(槍も持っているしコイツがリーダーなんだろうな。)


ゴブリン達は木の実を石で砕いて口に含み、水を飲んで何か談笑している。しかし、少し時間が経つと4匹が集落を離れて移動し、また別の2匹が違う方向へ移動していった。


もう少し時間が経つと、ちょうど俺のいる方向に更に別の2匹が向かってきた。バレたらマズいのでゴブリンの視界に入らないように更に200メートル程後退し、高低差のある地面に身を伏せる。するとゴブリンがこちらに向かってきたので少しだけ移動して身を隠した。


ザッ、ザッ、ガサ。とゴブリンが通り過ぎていくのを音で理解する。ゴブリン達に会話はない。無言の足音だけにこっちも緊張してきたよ。ゴブリン達をチラ見すると棒を持ったやつが1匹、石斧を持った奴が1匹いた。ってか石斧!!!


俺は足音が鳴らないように踏む場所に気を付けながらゴブリン達に近づいていく。あ~ムッチャ緊張する。10メートル以内に入ったがこれが限界のように感じた俺はダッシュしゴブリン達に向かう。


「ギ?ギャ!!」


2匹気付いたが遅い!俺は思いっ切りジャンプして石斧を持ったゴブリンの頭目掛けて振りかぶった。やったクリーンヒット!倒れ込んでいくのを尻目に棒を持ったゴブリンが突きを放ってきた。


ってアブねぇ!ジャンプ後の着地でしゃがんでいる態勢の側面からの突きだったので反対側に転がって躱したけど。よく見たら棒の先が尖っているやん。あんなのに突かれたらコイツ等の惰力でもだいぶ痛いと思う。


だが、こっちからみたら相手は1メートルくらいのガキみてぇなもんだ。棒の先端に気を付けながら優勢であるリーチを生かして草薙に棒を振るった。ゴブリンが棒でガードするが身体を縮こませながら横に倒れると「ギギ!」といってゴロゴロ転がっている。


「ん?」


すぐ立ち上がろうとするかと思ったが、ゴロゴロ転がったのでなんだろうと思ってたらどうやらゴブリンが倒れた先の小さな木の枝はトゲがあるらしく、それで痛がって転がってたみたいだ。バラみたいな種なのかな?


ラッキー池田!と思いながら俺は石斧を手にもち、ゴブリンの棒を足で抑え首を目掛けて振りかぶった。任務完了である。


少ししゃがんで辺りを見回すが、バレている感じはしない。俺はゴブリンの足を持ち少し窪んだ場所に捨てて、草とか枝を置いてゴブリンの死体が見つからないように隠蔽し自分も呼吸を整えるために隠れた。


(まだまだ先は長い。次は別の方向に2匹で移動した奴らの後を追うか。)


俺は装備を尖った棒と石斧に変更し、2匹ゴブリンが行ったであろうルートを側面上から追いかけていく。

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