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第6話 生きる為に


------------------

名  :焔 天善(24)

職業 :世捨て人

階位 :1

スキル:【計算Lv.7】【踊りLv.1】【酒豪Lv.1】

称号 :


------------------


「おお、本当に出てきたよ」


頭の中にぼわぁっと浮かんでくる。これが妄想だったらイカれ野郎だが、状況が状況なので本当の事として受け止めよう。今この時点において必要なスキルという項目に目を向けるた。


(期待していたけど、チートスキルは無いな。初めてでもゴブリンを退けたから曲がりなりにも何か役立ちそうなスキルがあればと思ったが見事に無い。【計算】は大卒レベルだからだろう。【踊り】と【酒豪】は毎日のように学生時代にクラブ通いしていて身に着いたスキルではないだろうか。)


何を隠そう俺はリア充のパーリーピーポー勢なのだからと意味のない自慢を心に思い、何も記載のない称号は置いといて階位はレベルという認識で良さそうだがゴブリン2匹倒した程度では上がってはいない。職業については・・・


(日本では割と大手の営業マンだったんだが会社員ではないのか?あ、この世界での職業ということか。まぁ、こんな森にいきなり居るくらいだからこんなもんか。しかし階位は上げていかなきゃ生き残れないんだと思う。逃げ回って脱出というのは難しくなった?いや、逆を言えば階位あげて強くなれるんだとしたら上げれば生き残れる可能性が高くなるのか。)


これはこれでいいかとステータスが頭の中から消えるように意識する。


「さて、これからどうするか。」


直近の問題は水と食べ物だ。これは超重要案件とする。次に生活拠点の確保。三つ目は階位を上げて戦闘能力を上げていく。最後は脱出というおおまかな流れを頭で考えた。


(問題は、水と食料を当てもなく探し回るかって事だよな。敵が20匹で集団行動しているような森を動き回って大丈夫なのだろうか。当然他にも危険な怪物がいるとしたら普通に考えたら危ないよな?)


う~ん。これは困ったと頭を悩ます。いっその事、地球基準で太陽を元に方角を決めて、一直線に進み水と食料は運で宜しく!というパーリーピーポー案が浮かぶ。


(待て待て、考えろ。近くにゴブリンがいる。あいつらも何か食べて生活してるんだろ?水の場所だってあいつらの近くにあるかもしれない。あいつらが人みたいに食事するならと仮定するなら、ゴブリンから離れるのは愚策なんじゃないか?)


なんか、そっちの方が良い気がするなと自分で思い。それならさっきのゴブリンの集団を見つけて遠巻きながらついていこう行こうと決めた。決めたなら話は早い、これ幸いにとさっき隠れたポイントへと腰を低くし周りを伺いながら移動を開始した。


(まだ、戻ってきてないならこの辺りを通るはずだ。)


ウンコ座りも疲れるので、胡坐をかいて休めながら待機する。すると10分経たない内に遠巻きながらゴブリン共が歩いているのが見えてきた。どうやら方向としても追いかけられたところに歩いているようだった。遠巻きに左から右へと移動するゴブリンが通り過ぎるのを待ち大分遠くになったのと後続が居ないかだけを確認し、地面の起伏や草、岩、木を利用して見つからないように移動していく。


ついて行って10分もしない内にゴブリンが集まっている集落と呼んでよさそうなポイントがあった。距離を取りながら良く見れそうなポイントを隠れながら探す。200mは離れて見ているが隠れて見えるポイントを見つけた。


どうやらゴブリンは崖下にある洞穴周りが拠点のようで、それぞれが木の根に腰掛けたり、岩に向かって石を叩きつけたりしてる。遠すぎて見えないが何かを砕いているっぽい。


(あ!)


そう、俺は見つけてしまった。洞穴のすぐ側には崖の上から水がチョロチョロと壁にくっつきながら流れている。崖下ではゴブリンが使いやすいように土を盛り上げて窪みにしている水たまりが見えるのだ。


「ウィルソン、水があるよ。君は飲みたいかい?」


テンションが上がり過ぎて某漂流映画に登場するボール君の名前を呟いてしまった。


(生き残るにはあの水を確保しなければならないか・・・。)


その瞬間、あの何匹いるかも分からないゴブリン集落を潰すのが決定した瞬間だった。

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