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第4話 反撃開始


一呼吸置いたのも束の間、子ゴブリンが枝を持って襲い掛かってくる。正直、喧嘩なんかした事がない俺だが四の五の言ってられない。


枝や棒でシバかれまくった身体だが、軋む痛さを無視して顔面目掛けて前蹴りを放つ。


「ギャ!」


子ゴブリンがたたらを踏んで後ろに倒れる。視界にはもう1匹の折れた枝を持った子ゴブリンが俺のとこに襲い掛かろうか迷っているのが見える。大人ゴブリンは右側面から棒を振りかぶろうとしている。


「やべっ」


俺は素人ながら後ろへ微妙にジャンプをしながら躱し、また同じように前蹴りをし大人ゴブリンの首より少し下あたりにめり込ませ吹き飛ばす。


(とりあえず今やるべき事は大人ゴブリンを行動不可能にすることだ。)


そう思った俺は吹き飛んで倒れた大人ゴブリンに1歩2歩と助走をつけジャンプ、ゴブリンの顔を踏み潰す勢いのまま足で踏んだ。日本では重罪なので良い子はマネしないようにね。


人生で感じた事のない感触が足の裏から伝わってくるが、自分が殺されるかもしれない状況のせいか頭が熱く興奮状態のせいか「早く殺さないと」と思い。再度踏みつける。動かなくなった大人ゴブリンから棒を奪った。


最初に踏みつけた段階で動かなくなっていたような気がするが正直関係ない。トドメを差しとくべきだ。俺は棒で思いっ切りゴブリンの頭目掛けて振り下ろした。


視界の端で折れた枝を持ったゴブリンが逃走を図っているのが見える。俺が蹴った方の子ゴブリンは引き付ける役なのか動けないのか、俺に向かって枝を構え立っていた。


正直、もう子ゴブリンは脅威でも何でもない。子ゴブリンは70センチ程度の背丈で持っている武器も枝だ。惰力も耐えれるレベルなのも身をもって証明済みだ。俺は余裕をもって子ゴブリンに近づいていった。


「ギャギャ」


子ゴブリンは勇ましくも枝で襲い掛かってきた。が、俺と子ゴブリンでは体格も持っている武器もリーチが違う。


俺は棒で撲殺した。


「はぁ。はぁ。」


自分の息以外は何も聞こえない。


(やばい疲れた。休みたい。)


俺は近くの木に体をもたれかけ呼吸を落ち着かせる。静けさが場を支配する。先ほどまでとは大違いだ。


落ち着いてきたせいで、棒で殴られた部分の痛みがぶり返してきたがそれよりもこの状況から抜け出して安全な場所を探さないとヤバイ。


「異世界にきたぜイェーイってダブルピースしながら言えたら楽なんだけどなぁ。」


そう呟きながら、死んだゴブリン達を見る。しょっぱなから殺人案件である。日本人にはキツイ・・・。


そう考えていると遠くの方から何か違和感を感じ、耳を澄ますと「ギャギャギャ!」と聞こえた気がする。


あ、もしかして1匹逃げた子ゴブリンが仲間引き連れて戻ってきたのかな?大人ゴブリンでも1メートル少ししかないが、複数いたらタコ殴りされて死亡案件である。


怖くなった俺は反対側に走って逃げた。


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