第16話 拠点?
毎日11時に投稿になります。
「ぷはぁ!生き返るってこういう事だよな!」
焔は水をたらふく飲むと開けた広場と森を眺めた。
(とりあえず水を確保したか。次は食料だけど・・・あのデカい猪を食べたいけど切るのは石斧かあの刺さった槍の先で切れるけど、焼いて食べる事できないし、流石に生はダメだろう。)
本当に本当に追い詰められたら生でも食べるか。と心に決め次の行動を考える。
(猪をほっといたら、オオカミかなんか知らない生き物が来るかもしれないが、水場があって木の実のあるこの場所をどうにかしてここを拠点かしたいよな。)
どうするか考えて焔はこの場に長居をするのはやめ、木の実をポケットに詰めて移動を開始した。移動しながら焔は使えそうな太目の木の枝を分かりやすいように近くの木に立て掛け、ツタを見つけたら程よい長さにして石斧で切って木の枝とセットで置いていった。
そういったポイントを作りながら、この2日間お世話になっている木の上に移動し安全を確保した後に冷静に考えていた。
(明日行ってみて猪の死体とか荒らされてなかったら、木の枝とツタで簡単な塀を洞窟の周りにグルリと囲んで草で隠そう。あっ、そういえばゴブリン達と戦った時にトゲトゲの枝の木があったからそれで塀と草の周りに詰めて簡単に近づかせないようにしよう。そうしたら一応簡易な拠点が完成するか。)
やる事を一通り決めた焔は木の実をポケットから取り出して食べた。正直全く美味しくないが、無いよりマシと決めて黙々と食べた。時間はまだお昼にもなっていない。
(よし、拠点の材料はまだ足りないから材料を集めようか。)
こうして、焔は周囲の警戒をしつつ材料を目立つところに集めては移動し、また集めては移動しこの日を過ごした。
~~~~翌日~~~~
「うっし、それじゃあ、洞窟の様子見てみますかぁ。」
焔は洞窟の様子を確認するために足を進めた。ゴブリンはともかくオオカミと対峙するのは嫌なので、本当に見えずらい木や草の影を確認しては移動を繰り返した。
「うわぁ、やっぱどっか近くに居るんだろうなぁ」
目撃したのは、食い散らかされた猪の死体とゴブリンの死体である。猪が美味しいかったのか殆どグシャグシャになっているがゴブリンに関してはお腹だけ抉られたように無くなっていた。だいぶグロい。
広場はどうなっているかと広場に目をやるが先日とは特に何も変わらない。これは時間との勝負だと感じたので、水を飲むと急いで昨日に各ポイントで集めた木の棒とツタを回収し、洞窟周辺の5m範囲ない位を石で木の棒を叩き地面に打ち付けていく。また木の棒の材料が無くなった為に更にとおいポイントで集めたものを回収し今度は打ち付けた棒に対し支えるように斜めに打ち付けた。そして縦の棒と斜めの棒が交わったところをツタで補強した。
今度は補強した縦の棒に対して新たな棒を横に2段ずつツタで取付て外側から押して強度を確認した。
(これ、生き物が本気のタックルをかましたら壊れるな・・。)
所詮は木の棒を地面に突き刺した塀であった。それでも焔は一応形としては簡易な塀を完成させ、周囲で手頃な木の枝を折り塀に重ね洞窟を外側から見えないようにした。そしてせっせとトゲの枝を回収して、草の周りに補強していった。とりま完成と言える。
「絶対に少しでも知性のあるやつがコレみたら、何かここにあるぞって思うだろうな。」
そんな拠点が完成した。だが、ここに住むとなるとかなり防衛という点で心細いはずである。あのオオカミ達に囲まれたら終わりの予感満載なのだ。猪などは一撃で破壊するだろう。
(今のところはあくまで水場を確保するための措置という形がいいかもな。)
そう考え、とりま水分を補給し木の実を食べ、猪の死体の近くから折れた石槍を回収し、いつもの木の上で過ごすのだった。