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13話 み、緑色のオオカミ


「グルルルルゥ」


(!!)


戦闘に夢中で気付かなかった事を後悔する。だって、目の前には映画で出てくるようなオオカミが居るんだもの。しかも、1匹だけではなくて草や木の影やらからワラワラ出てきて合計6匹のオオカミがいたのだから。


身体の半分上は緑色、下は灰色のオオカミ。どう考えてもゴブリンより厄介なのは見ただけで分かる。焔は自然と中腰になり、左手に持っていた尖った棒に力が入った。


(棒で1匹突き刺しても、他が噛みついてくるんだろうな。腕に噛みつかれるのはマズイ。噛まれるなら足だ。それなら近接なら石斧で頭をカチ割れる。)


でも怪我したら、その後どうしよう。。。と切り抜けた場合の事を考えると、やっぱり怪我しても生き延びれないなぁと思うと現在のにらみ合いは積み状態になっているような気もする焔である。


しかし、よく見ていると先頭で唸り声を上げているオオカミ以外は臨戦態勢という訳でもなくウロウロしている。隙を伺っているというのも否定できないが、焔はある一つの考えに至りそしてその可能性を試すことにしたのだ。


(ゴブリンの死体を食べたいのか?)


そう考えた俺は、ジリジリと後ろに下がりゴブリンの死体をオオカミ達が割と安全な距離で引っ張れそうな距離まで後退した。すると、唸り声をあげているオオカミの後ろでウロウロしていたオオカミ達が先程倒したゴブリン3匹を引っ張っていき、一瞬俺の事を目で確認した後にムシャムシャと食べ始めたのだ。しかし、先頭の警戒しているオオカミはずっとこちらを見つめている。


(これは助かりそうな予感だ。)


ラッキー!と思い、ついでにこいつも食べたら?と俺はメスゴブリンの死体の足を持ち、そのまま持ち上げてオオカミ共の所に投げたのである。


敵意を向けていたオオカミも「え、貰えるの?」的な感じで若干空気が緩んだのを感じた。死体も食べてくれるみたいだし、エコなのでOKですよ。


(よしよし、俺はこれで退散できたら問題ナッスィング)


そう思い、少しずつ後ろに下がり集落方向へと後退を始めた。もう少し距離が空いて自分の身体が草木に隠れたら走って逃げようと考えていたその時に。


「ギャ!ギャギャギャギャ―」、「「ギャー」」「ギャギャー」


声で何となく分かってしまうがゴブリン達がキレ気味で草からワラワラと出てきたのである。「俺たちの村に何してくれとんねん」「殺すぞコラァ」「やっちまえ」的な感じで。


集落の中心付近に俺はいて洞穴から真正面にいるオオカミに対して向き合っているところを左からゴブリンがワラワラと出てきている。多分というか、確実にこのゴブリン達は集落の草むらにいるオオカミの存在を認識していないんだろうな。


少し遠目に、先ほど先頭にいたオオカミが騒がしくなったこっちを見て何が起きてんの?みたいな感じで首を伸ばしてこちらを見ている。自分らはメシの途中だから他人事だよな。


それに対してゴブリン達はオラオラ系宜しくな感じで俺に対していきり立っている。


さて、どうしたものか。

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