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第12話 ゴブリン強襲

(まずは大人ゴブリンの殲滅だ)


焔は集落にいるゴブリン達に見つからないように近づいていき、その距離が30メートルもない状態になった。ここから先は開けた場所になる為に近づけば完全に見つかってしまう。


(行け!)


そう心で念じ走った。木の影から飛び出した先ですぐ目の前にいたのは子供ゴブリン達だが、焔は走ってこれをジャンプして飛び越した。子供ゴブリンは焔が突然現れて「ギッ!」と恐怖の表情を浮かべていながらも硬直状態に陥っていた。


焔はほら穴に近い所に大人ゴブリンがいるのを見定めて走っていた。ゴブリン達は焔に気づいて慌てて近くにある武器を手に取ろうとしている。その一匹の首にに焔は思いっ切り尖った棒を突き刺した。「ギィエ・・・。」声を漏らしながら倒れるゴブリンから素早く棒を抜いた。


自分の背後に子供ゴブリン6匹、右後ろにメスゴブリン、手前に大人ゴブリン3匹。ゴブリン達はギャアギャア騒ぎ出しているが、焔は素早く後ろに走り出しメスゴブリンに対し石斧で頭をカチ割った。背後にいる大人ゴブリン3匹が声を荒げて近づいているのを感じる。後ろを確認するとメスゴブリンを殺したせいか怒りの形相で迫ってくるゴブリンが棒を突き刺そうとしていた。他の二匹も追従して走っている。


俺は慌てて逃げるように前へ走って木の後ろに回り込み盾にした。ゴブリンが向かって右から2匹、左から1匹が挟み撃ちにしようと追いかけてくる。左側のゴブリンの胸を尖った棒で突き刺し引き抜く間が無かったために棒を手放した。右の2匹に向き合い右手の石斧を構える。そのまま襲ってくるかと身構えていたがゴブリン2匹は並んで立ち止まった。


(そのまま襲い掛かってきてたら態勢的にまずかったかもな)


これは重畳と半円を描きながら走り右手に持った石斧で向かって右のゴブリンに襲い掛かった。ゴブリンは手に持った石斧で牽制するように振り回したが、こっちから見たらいくら凶器を振り回していても身長1メートルくらいの奴のリーチはタカが知れている。


振り回した得物をしっかり距離をとってこちらも石斧で攻撃した。ゴブリンの顔をカチ割ることは出来ずゴブリンの顔を縦に抉るように削って終わってしまったが、怯んだゴブリンを思いっ切り蹴って後ろにいるゴブリン共々吹き飛ばした。俺は素早く後ろ側にいたゴブリンの頭をカチ割ると、先ほど顔に縦傷をつけたスカーフェイスゴブリンの頭を同じようにカチ割った。


(なんとか大人ゴブリン4匹+メスゴブリン倒したな。。。)


さっきゴブリン達から逃げ回って木の後ろに回り込んでいる時に、視界の端で子供ゴブリンが逃げて行っているのを確認していた。逃げた方向的に離れたゴブリン勢力に合流しているんじゃないかと思う。10匹以上のゴブリンを同時に相手になんかしたら怪我しそうなので逃げようと思う。


(しかし、思ったより動きが良かった。)


焔は今回の戦闘で自分の動きや力が増しているのを実感していた。階位が上がる前に尖った木の棒でゴブリンを突き刺した時よりも遥か簡単に貫くことが出来たからだ。


(あの時は結構助走つけて思いっ切り突き刺してたけど、今は助走なしで思いっ切り突き刺してもイケたな。)


このまま階位を上げれば、ここでの生存率も上がっていくのは間違いないなと確信したが、それよりも今は残りの大人ゴブリンが来る前に撤退をした方が賢明だと考え、突き刺した木の棒をゴブリンを足蹴にして引き抜いて回収し立ち去ろうとした。


その時、


「グルルルルゥ。」


聞いた事のない生物の声が後ろから聞こえ、焔は慌てて後ろを振り返り身構えた。


そこには毛が緑色のオオカミっぽいのがざっと6匹は居たのである。

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