種火に
僕はもうとっくに枯れていて
一度も燃え上がれないまま燃え尽きて
なのにいつまでもケジメをつけられず
しがみ続けている
この世界の暗闇を明るく照らす事も
寒さに震える誰かを温める事も
もう無いのに
ただこれしかなかった自分を守り
正当化するために
やめないを続けている
だから一体どの口が言うんだって話なんだけど
種火になれないかって思うんだ
こうして僅かでも燃え尽きず
燻れているなら
もう大勢に囲まれる炎になれなくても
どこかにいる
胸の中に灯火を宿せないで
苦しんで迷っている誰かの
明日を照らすために必要な
灯りの種火に
僕は立派な人間ではないから
僕は優しくも思いやりのある人間でも
他人の幸せを手放しで喜べるような
出来た人間でもないから
こんなのは
ただ続けていくための
やめないでいるための
方便なのかもしれない
根底に僕を認めろって
本音が透けて見える
汚れた気持ちじゃ
掬い取っても
もらえないかもしれない
それでも
燃えカスとしてでも
どうにか燻っている事で
誰かの何かの
種火になれないかなって
みっともないかもしれないけど
僕は今日もなんとか消えずに
ここに残っています