故郷へは長く未知
あらすじ
学校をリア充として楽しんだが、状況を整理していくにつれて不安は増えていった・・・
授業自体は至って普通だった。例え話にアニメを使ってくること以外は。
これは興味ない人からしたらキッツイだろうなぁと思っていたが、これは「オタクは下」世界の考え方のようだ。
俺は部活には入っていないので、普段は授業が終わるとサッサと帰るのだが、
これだけ学生生活が充実しているのなら部活も楽しめるのかもしれない。
何か入ってみてもいいかもな!どうせ俺じゃないし失敗してもいいか!
・・・しかし今は、この世界の事を知るのを先決とし、家に帰ることにした。
家につくまでは登校時と変わらなかった。
どうやらマンガチックに特殊な環境ではなさそうで、命の心配をする必要もない。
そして家の中にも変化はない。気付いてないと一生スルーしていただろう。
俺はいつもは見ないテレビを付けてみた。
普通この時間帯の番組は、ファッションだ食べ歩きだ右翼左翼の偏った政治だの番組だったのだが、
この世界では「特撮に学ぶオタク受けコーデ」や「アニメ飯の再現」や「ゲハ論争」の番組となっていた。
すっげえ興味を引くものもあるが、まだまだ他にも調べなくては。
コレクションが心配だ。
環境の違う俺は、「俺」と同じ趣味なのか?
俺は自室のドアを開けた。
・・・よし!スノゥのめぐみちゃんがいる!同じだ!
そうさ、寝起きの時も違和感はなかったじゃないか。
違うなら気が付くよ流石に。オタクとしての俺を信じなきゃな。
しかし、衝撃の事実が俺を襲う。
作品の内容が違うのだ!
俺が愛した作品たちの中身が別物になっていた。
なんなんだこの違和感は!!?!
面白さは変わらないが、キャラの根本的な部分が違っている!これはもはや別人だ!
この世界の読者層に合わせたのか?
知っているのに知らない作品に触れていると、ある感情が生まれた。
・・・俺が好きなのは、俺の世界の作品だ。
あのクソみたいな世界で生まれた作品に感動したのだ。
自分好みの世界で生まれた作品は俺には合わない。
まさかのデメリットが生まれたことで俺はある決心をした。
「元の世界に帰ってやる」
一つの目的が決まった瞬間だった。
・・・しかし、これはこれで面白いな。
俺はコレクションを読み漁った。
つづく