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狐面は伊達じゃ無い!  作者: 遮二無二
4章 激闘!支配の魔眼!
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第48話 偽りのLoyalty?

短編書いてみました。


英雄は100回死す ~命、激安!~


https://ncode.syosetu.com/n9207fh/


良かったらご一緒にどうぞ。

 「アルっ、お前どれだけ魔力があるんだよぉ! うわっ!」


 止め処無く降り注ぐ無数の火球、水弾、突風、石礫。

 俺は身体強化【疾風(はやて)】を使用して全て回避しているが、一向に魔法の暴雨が止む様子は無い。

 一つ一つは威力がさほど高く無いが、一度当たってその場に留まろうものなら集中砲火を食らうこと必至だ。


 何故俺が身体強化【鉄壁】でアルの魔法を受けないか……その答えは簡単で、身体強化【鉄壁】には魔法に対しての耐性が無いからである。

 物理的な石礫には滅法強いが、火球は火傷し、水弾も水の質量で体勢を崩されて突風には吹き飛ばされる。

 要は身体強化は魔術師(ウィザード)と相性が悪いのだ。


「うおっ、危なっ!」


 火球の一部をすれすれで回避して冷や汗が出る。

 どうやら俺が逃げる方向を予想しながら先だって放っていたようだ。

 だが俺はただ避けて逃げ回っているだけでは無く、着々と反撃の準備をしていた。

 俺は再三アルへと向かって走り出す。


 俺にはもう一つの能力である【操影】で実体化させた影には一つ特徴があった。

 それは他人の魔力を強く弾く特性だ。

 この特性を知り、アルから魔人スピーノとの戦いの様子を聞いたとき、一つの構想を得た。


「【操影】影纏拳(えいてんけん)!」


 身体強化を解除して魔力をたっぷり流し込んだ影に向かって能力を発動する。

 影が俺の足から蛇の如く絡み付くように駆け上がり、両手を真っに覆い、飛来してくる魔法を手刀で弾き落とす。

 対魔法用の戦闘スタイル、これがいわゆる新技、疑似魔人拳だ!

 俺の【操影】は自分の影から基本的に真っ直ぐにしか飛び出ない。

 しかし、壁や、地面、はたまた自身の肌など平面に存在するときはありとあらゆる形を取れる!

 つまりは肌に密着させる、濃密な魔力で作りあげた影による対魔力攻撃仕様の鎧である。


「どおりゃああぁああ!」


 前方から次々と放たれる魔法を弾き、受け流し、時には跳ね返して魔法同士を相殺させながら前へ前へと突き進む。

 俺はまだ二つの能力を同時に発動させる事が出来ない。

 ルナリアさんに強化して貰っていなかったら少し不味かったかもしれないな。

 俺はルナリアさんに感謝しながら更にアルの方へと突き進む。


「……!」

「ウィル、お前は少しおとなしくしていてくれ! 【操影】影牢(カゲロウ)!」


 俺の影がウィルの足元まで移動し、そこから四角形にウィルを取り囲む。

 ウィル達にはまだ披露した事の無い新技なので、うまく不意を突けたようでウィルは影の牢屋の中に閉じ込められる。

 強度はさほど無いが一瞬の足止めには十分使える。


「貰ったぁ!」


 影纏拳であらかじめ張られていた防御用の魔法をぶち破りながらアルへと拳を叩き込もう前に拳を突き出す。


「……」

「何!?」


 アルは魔術師(ウィザード)の生命線である杖をこちらの方に投げたのだ。

 魔法は杖が無ければ手先などの体の先端からしか発動出来ないようなので、対魔術師(ウィザード)は気狂いでも無い限りは杖を折れば無力化出来る。

 そんな一番大切な武器を何故手放したのか……?

 しかし、俺は投げられた杖に反応して杖を真ん中から殴って二つにへし折る事を優先した。

 杖さえ折ればアルはもう怖くは無いからだ……そう考えていた自分が甘かった。


「うぐっ!?」

「……」


 アルは俺にバランスを崩すように飛び付いて来て、二人ともダンスホールの床を転がる。

 そして流れるようにマウントポジションを取られたと思ったら俺の首には薄くてヒヤリとした感触が感じられた。


「お前、こんな事も出来たのかよ……」

「……」


 俺はアルによって首もとに隠し持っていたであろうナイフが突きつけられていた。

 これでは身体強化【鉄壁】を掛ける瞬間の前に首を切られてしまう。

 何も映さない生気を感じさせない目で、まばたきもせずに俺の一挙一動を見逃さない。

 まさか今まで一緒に旅してきたアルがこんな近接戦をしてくるとは知らなかった。


 その時、外からカランカランといった鐘の音が鳴り響く。

 ダンスホールに来るまでにこの館の一角にそう言えば鐘があったのを見かけた気がする。

 何故その鐘が鳴らされたのか?


「……そっか、ヴィーボラの奴、俺を捜索に行かせてた奴を戻す為に戦わずに引いたのか」


 やけにあっさり逃げたかと思えば、この鐘を鳴らして館へと操った人々で包囲網を作り、完全に俺を追い詰める為だったのか。

 中々狡猾で良い手だ。

 今思えば奴は俺が再び姿を表した時から勝利を確信していたのであろう。

 のこのこと獲物がやって来た……と。


「なぁ、そろそろ良いだろ?」


 そんな完全に追い詰められた状況で、俺はそう呟く事しか出来なかった。

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