表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狐面は伊達じゃ無い!  作者: 遮二無二
3章 登場!謎の美少女狩人!
40/77

第27話 友・人・出・来

「おぉ……これが温泉か……」


 石を積み上げられて作られた湯船からお湯が滾滾(こんこん)と湧き出ている。

 火や魔法を使っているならこんなに豪勢にお湯を垂れ流す事なんて出来ない。

 一体どうやってこんな大量のお湯を作り出すことが出来るのだろう。


『地下から湧くのだ。地下にある溶岩と呼ばれるどろどろに溶けた熱い岩石に地下水が熱せられて熱い湯になるのだ』


 タマモは俺が疑問に思ったことを何となく感じ取ったのだろうか、手短に説明する。


「本当か? 地面の下ってそんなに熱い物があるのか?」

『あぁ、相当奥深くだがな。その内旅に出ていれば溶岩を見ることになるだろう。さ、黄緑の小娘が来る前に洗ってくれ。そうすればお前には私から認識障害を掛けてやろう』


 タマモは難しい事を知っているな。

 少し勉強になった。

 さて、タマモには何か策が有るみたいだしサクッと狐面を洗うとするか。


 俺は温泉に備え付けられた石鹸を使い、ごしごしと泡立てながら急いで狐面を洗う。

 良し、綺麗になったな。

 その時後ろからガラガラと戸が開く音がする。

 ハーティが来たな! 俺は急いで狐面を装着する。

 そうすると視界の端で俺の髪色が黒から金へと変わっていくのが見える。


「お待たせー! って、オンセンでもそのオメン着けるの!?」

「ま、まあな」


 ハーティの方を目を瞑りながら向く。

 目を開いたら裸のハーティがいる。

 くっ、俺にはまだ女の子の裸を直視出来るほど勇気が無い。

 男としてまだまだ未熟なのだろうか? しかし女の子の裸を平然と見れるのも何か違う気がする。


『フ、安心して目を開けろ』


 俺はタマモに言われた通りうっすらと目を開けていく。

 ……見えない! ハーティの大事な所が謎の濃い湯気に隠されて見えないだと! これなら堂々と一緒に温泉に入れる!


『私に感謝するといいぞイズナ。お前の女体の耐性の無さは最早弱点だ。自分ので見慣れているのに何故慣れない?』


 サンキュータマモ。

 うーん、自分の体は何とも思わない。

 恥ずかしさはやはりそれは俺が男だからとしか分からない。

 やがて恥ずかしさから興味へと変わるのだろうか? 今は分からないけど……


「ま、良っか! イズナちゃん背中を流してあげるね!」

「良いぜハーティ。今の俺は何でも出来る気がする」


 俺はハーティに背中を向ける。

 ハーティは泡立てたタオルで丁寧に背中を洗ってくれる。


「ハーティ上手だな。凄く気持ちいいよ」

「イズナちゃん背中ちっちゃくてカワイイね。お肌もすべすべだし」

「そ、そうか?」


 く、俺が気にしている事を……俺はあまり身長と体格があまり成長してないのである。

 ちょっと、ほんのちょっとは成長してるけどね。

 逆にアルは初めて会ったときよりも身長が伸びてきている。

 同じ位の身長だったはずがいつの間にか少しだけアルの方が高くなっていたが悔しかった。


「前も洗ってあげようか?」

「前は自分で洗うよ!」


 ユリ姉とお風呂入るときはいつも洗われていた。

 あんな恥ずかしい目はもうこりごりだ。


「ボクは自分で洗うね。背中が敏感過ぎて他人に洗ってもらうのはちょっとムリなんだー」

「ん、分かった」


 自分の頭と体を洗い手桶にお湯を貯めて体を流す。

 これで温泉に入る準備は完了だ。


「イズナちゃんもオンセン初めてなんでしょ? 一緒にはいろ!」

「うん、良いよ」


 ハーティの合図で同時に入る。

 高めの温度の湯に加え、広い湯船の解放感がたまらずに思わず息をつく。


「「ふー」」

「ふ、ははは!」

「エへへ、アハハ!」


 全く同じタイミングで息をついた為思わず笑ってしまう。

 温泉は心も開放的になるようだ。


「ねぇイズナちゃん!」

「どうしたハーティ?」


 しばらく温泉に浸かっていると改まってハーティが俺の名前を呼ぶ。

 ん?良く見ると涙目で少し体が震えてる? しかもアホ毛まで弱々しい感じに垂れ下がっている。

 ま、まさかこれが噂に聞いた告白!? 俺がハーティを危機から救ったから一目惚れされちゃったとか!?

 ど、どうしよう、心の準備とか全く出来てないよ俺! て言うか恋とかしたこと無いし!

 なんて返事を返せば良いんだ? ハーティは可愛いし、お、オッケーしちゃうとか?

 そして恋人って何をするんだ? き、キスとかかなぁ!?


「ボクとお友達になってよ!」


 ズコー! 音を着けるならそんな感じでずっこけた。

 何で俺はこんなに舞い上がってしまったのだろうか?やだ、恥ずかしい……

 俺は急いで体勢を持ち直し何事も無かったかのように取り繕う。


「も、勿論。宜しくハーティ」

「本当!? 嬉しいなぁー! イズナちゃんが初めてのお友達だよ!」

「え、ハーティそんなに可愛いのに? 俺だったら絶対放っておかないよ?」


 こんなに可愛いくて性格も良い子に友達が居ないとか見る目無さすぎじゃないか。

 それともあれか? 可愛い過ぎてお近づきになれないとか?


「えへへ、カワイイなんてありがとう。年が近い子が全く居なかったからね。イズナちゃんじゃなくてイズイズって呼んで良い? ニックネームで呼んでみたいな」

「俺、ニックネームは初めてだよ。じゃあ俺もティティって呼ぶよ。で、悪いんだけどさぁティティ」

「なぁに?」


 首を傾げる動きに合わせて動くアホ毛。

 やはり感情と直結しているのか? それはさておき先程何で俺が告白と勘違いしたか分かった。

 俺、今滅茶苦茶逆上せて……る…………


「俺を温泉から出……して……」

「イズイズー!」


 この後俺はティティに膝枕で介抱してもらう羽目になった。

 勿論膝枕は気持ちよかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ