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狐面は伊達じゃ無い!  作者: 遮二無二
3章 登場!謎の美少女狩人!
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第26話 一・時・休・息

「え、あれが村か? 村を囲う柵も外壁も何もないけど。ちょっと不味くないか?」


 普通の街や村は石を積み上げた外壁や丸太で村を柵のように囲うなどして魔物の侵入対策を行う。

 でもあれじゃあ魔物があっさり侵入出来てしまう。


「それほど像の力が強いんですよ。村が出来てから一度も魔物の侵入が無かったらしいですよ。でも今日は遅いですし宿で一泊してから対魔ギルドに滞在報告とか行いましょうか。ここの宿には温泉があって良いところですよ」


 凄いな像……本当に調べよう。

 そうそう、放浪者(ヴァンデラー)はたどり着いた街や村の対魔ギルドに滞在報告をしないといけない。

 魔物出現等のいざというときの戦力になるからだ。

 それにしても温泉か~タマモに話を聞いていたがお湯が涌き出る泉みたいな物。

 実に楽しみだ。


「ハーティはどうする?俺らは宿に行くけど」

「ボクも宿に泊まるから付いていくね!」


 こうして目的地が一緒な俺ら四人は村にある宿まで歩いていく。

 宿に入るとシュッとしたおばさんが受付をしていた。


「いらっしゃい。泊まりかい? 今四人部屋は無いから二人部屋で二部屋の男と女の2:2でいいかな?」


 おばさんは勘違いしてるな、男は三人だ。

 ここはビシッと言わねば伝わらない。


「おばさん俺は……「それでお願いします。ハーティさん、申し訳ないですがイズナさんをお願いして良いですか?」

「うん! 良いよ!」

「はい、これは部屋の鍵だよ。温泉は男女で別れてるからね。青い暖簾が男、赤い暖簾が女だよ。間違え無いようにね」

「はい、どうもありがとうございます」

「え……おい、アル?」


 何故俺が話そうとするタイミングに話を被せる。

 そしてサクサクと話を進めすぎだろ。


「リーダー権限です」

「え」

「リーダー権限です」

「えー…………」


 俺の意見はどうやら聞き入れてくれないようだ。

 ここは大人しく聞き入れるしか無いのだろう。

 初めてアルに押しきられた気がする。

 アル、お前今までリーダー権限何て言葉使って無かっただろうが、どうした急に。


「えへへ、宜しくね! イズナちゃん!」

「まぁいっか。宜しくハーティ」


 まぁこんな可愛い子と同じ部屋なら役得かな?ハーティのアホ毛嬉しそうにピコピコ動いている。

 本当に感情が分かりやすい子だ。



「イズナちゃん、早速オンセン行こうよ! ボク初めてなんだ!」

「実は俺もなんだ。楽しみだな~」


 部屋に着いたらハーティから早速温泉に誘われた。

 断る理由も無いし一緒に行く。


『私も存分に洗ってくれよ』


 任せておけタマモ。

 少し歩くとすぐに温泉の脱衣場に入る暖簾の前に着いた。

 よし。


「じゃあハーティ、俺こっちだから。また後で」

「え?」


 俺は青い暖簾をくぐる。

 そこにはアルが仁王立ちをしていた。


「そんな事だろうと思いましたよイズナさん。さぁ、出ていって下さい」


 俺はアルに体を180度向きを変えられて暖簾の方に背中を押されていく。

 俺は抵抗も出来ずにずるずる押されていき、遂には入口まで押し戻される。

 そこにはポカンと口を開けて立っているハーティが居た。


「ちょっ、待てよアル。俺は男だぞ」

「他のお客様の迷惑になるので勘弁して下さい。……はぁ、自分の容姿を考え見て下さいよ……」

「え? 何か言った?」

「いえ、何も。大人しくハーティさんと温泉に入ってきて下さい。これもリーダー権限です。ハーティさん、イズナさんを宜しくお願いしますね」

「え、うん。分かった。イズナちゃん行こうか?」

「え、まじ? 女の子と温泉に入るの?」


 ユリ姉との風呂と言う試練に続きハーティとの温泉…………ヤバい。

 可愛い子と温泉なんてドキドキしてきた。


『流石坊や。私が見込んだ男よ』


 タマモ、ソレってどういう評価?

 俺は渋々女湯に入り服を脱いでいく。

 と言っても和服風装備だけどね。


「イズナちゃん下着着けてないの!?」


 脱衣場で互いに背中合わせで衣服を脱いでいく。

 俺はハーティの着替えを極力視界に折れないように努力していた。


「え、着けてんじゃん」

「このホータイみたいのが? イズナちゃんってまさかミイラ?」

「いやサラシって言うんだよ。この布を巻いておかないと動くとき胸が擦れて痛いんだよ」

「イズナちゃん装備はオシャレなのに下着はカワイく無いねーそうだ、ボクのを見てみてよ! カワイイから! あれ? イズナちゃーん? こっち向いてよ!」


 いや、女の子の下着姿を見ろと? 俺は男だ。

 ここは軽蔑されるかもしれないがハーティには正直に言おう。

 俺は覚悟する。


「ハーティ、実は俺、男なんだ」

「面白い冗談だね! えい!」


 俺の覚悟は無駄だった。

 無理やりハーティに体を翻されて目に入るはライムグリーンでしましまの下着。

 どや顔で腰に手を当てているハーティが居た。

 健康的でスラッとした肢体。

 くっ、ユリ姉とはまた違う刺激がっ、何か鼻に何か込み上げてくる物を感じる。


「どう? カワイイでしょ!」

「か、可愛いけど風邪引くから早く入ろう!」


 俺は限界が来る前にとっととサラシを取って、一分丈のスパッツを脱ぎ、浴場に入っていく。


「え、イズナちゃん下着を穿いて無……」


 ハーティの言葉は最後まで聞こえなかった。

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