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狐面は伊達じゃ無い!  作者: 遮二無二
3章 登場!謎の美少女狩人!
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第25話 少・女・遭・遇 ※イメージ有り

 アルストを出てから数日経った。

 俺達は今日の夕方頃にこの先にある村、ストラーナに着く予定だ。


「ここら辺は全く魔物が居ないな。気配すら感じない」


 ウィルが呟くいてから考えてみると、確かに1日最低一回でも遭遇していた魔物が村に近づけば近づくほど見なくなってきていた。

 何か原因でもあるのだろうか?


「多分ストラーナにある不思議な像のお陰ですね」

「像?」


 あ、そう言えばアルストを出て直ぐに言っていた気がする。

 そんな像が有るって。


「ええ。その像の近くでは魔物が全く寄り付かないみたいですよ。それを発見した人々がその像を中心として作られた村がストラーナなんです。魔物が全く出現しないので駐留している対魔ギルドの人間も極端に少ないみたいですよ。何でもアーネスト大陸一平和な村だとか」

「へー詳しいなアル。良く分かったよ」


 まるで旅行ガイドみたいだ。

 俺なんてそもそも隣の街や村の名前なんて一つも知らなかった。

 ましてや特徴など知るよしもない。

 本当に一人で旅に出なくて良かったかも。

 それにしても像か……何か面白い秘密の一つや二つ位ありそうだな。

 着いたら調べてみよう。


「一度通ったことがありますからね。きっと見たら驚くと思いますよ」


 驚く事か、一体何なんだろう? そんな事を考えているとウィルが急に立ち止まる。


「―――――」

「む、イズナ、アルよ。何か聞こえなかったか?」


 ウィルが突然俺達に質問する。

 森の木々のざわざわとした葉擦れの音しか俺には聞こえない。


「え、何も聞こえなかったけど?」

「僕も聞こえませんでしたね」

「いや、人の声が聞こえた気がしたのだが」


 ウィルは五感に優れている。

 この間も遠くから魔物の位置をドンピシャに当てていた。

 ウィルが人の声を聞いたと言うなら何かあったのかもしれない。


「本当か? 一応向かってみようか」

「そうですね。急いで行きましょう」

「ああ」


 俺達は少し駆け足気味に移動する。

 そうすると確かに女の子の声が聞こえてくる。


「キャー!」


 黄緑色でミディアム位の長さの髪をした女の子が、人の身長より大きなカマキリの魔物に襲われていた。

 女の子は狩人(ハンター)に良くある革の防具を装備しているが武器を持っておらず、逃げ回っているようだ。

 不味い、女の子が転けた!

 俺は考えるより先に体が動く。

 身体強化【疾風(はやて)】を使い、走る速度を上げて勢い良くカマキリ型の魔物にドロップキックをかます。


「うおおおお! イズナスペシャルエクストラドロップキック!」


 カマキリの魔物は俺のドロップキックを受けてそのまま吹き飛び木に叩きつけられる。

 遅れてやって来たアルの火の魔法【ファイアボール】がカマキリにヒットし、怯んでいる所にウィルのハルバードの一撃を受けてようやく絶命した。

 ふ、ここ最近の対魔物の勝ちパターンだな。

 俺が一撃入れてアルの魔法を撃つ隙を作る。

 最後に魔法を受けて怯む魔物相手にハルバードの斧で真っ二つという算段だ。


『技名がださすぎる……スペシャルとエクストラってほぼ似たような意味だろうが……』


 ……そうかなぁ? タマモに言われて俺は傷つく。

 そう言えば前もネーミングセンスが無いとか言われたような……


「ありがとう! キラーマンティスから助けてくれて!」


 女の子が俺に向かってお礼を言ってくる。

 おっと、傷ついている場合じゃないな。


「怪我は大丈夫? 俺はイズナ。狩人(ハンター)だ」

「ボクは大丈夫! そしてボクも狩人だよ。ハーティって呼んでね。ヨロシク!」


 ボク? まさか、この子がユリ姉の話に聞いたボクっ子か?

 イズナちゃん、俺っ子よりボクっ子になってよ! なんて以前ユリ姉に言われたことがある。

 琥珀色の大きな瞳に黄緑色で肩にかかる位のミディアムヘア。

 ニコニコと人懐っこい笑顔に加え、大きな特徴が一つ。

 頭頂部で存在を主張するアホ毛だ。

 感情に合わせてピコピコ動くソレはまるで別の生物のようだ。

 明るく可愛らしい子だな。


「宜しくなハーティ。所でここら辺って余り魔物出ないんだろう?災難だな。武器はどうしたのか?」

「えっ!? そうなの!? べ、別の所から来たから知らなかったな~……えっと、武器は向こうの方に落ちてるハズだよ。さっきのキラーマンティスに取られれて投げられちゃったんだ!」


 あ、てっきりストラーナの狩人かと思っていたが、勘違いのようだ。

 俺らと一緒で流れの狩人、放浪者(ヴァンデラー)なのかな?

 またさっきのように魔物が現れないとも限らない。

 ここは同行を申し出るとしよう。


「ストラーナまで行くなら一緒に行かないか? さっきみたいに魔物が出ないとも限らないし」


「本当? ありがとう! じゃあ武器を拾ってくるね!」

「あっ、待って。魔物がいるかもしれな……」


 ハーティは俺の制止を聞く前に走り去ってしまった。

 なんて忙しい子なんだ。


「お待たせー! 取ってきたよー! じゃあストラーナ行こうよ!」


 ハーティが直ぐに戻ってきたので俺らはストラーナに再び歩みを進める。

 ハーティの腰には太いロープのようなものが丸めて下げられている。

 あれは……?


「ふむ、鞭か。珍しい武器を取り扱っているな」


 ウィルが呟くが何だそれは?

 聞いたことも見たこともない。


「鞭って何?」


 俺が疑問を口にするとハーティは答えてくれる。


「鞭って言うのはねー()()()を利用して相手を打つのに使うんだよ。私でもスピードを出せてリーチも長い良い武器だよ! 使う機会があれば見せるね」

「へぇーそうなんだ。楽しみにしてるよ」


 鞭かぁ……結構面白そうな武器だな。

 どんな戦い方をするかを見るのが楽しみだ。

 俺らは適当な雑談をしながら旅路を進める。


「えへへ、あっ! あれがストラーナじゃないの?」


 ハーティが指差す方向に外壁所か柵すら無い集落がそこにはあった。




 ※ハーティイメージ


挿絵(By みてみん)

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