第22話 旅・立・前・日 ※イメージ有り
よぉ、イズナだ。
アースクロウラーを倒してからの事をこの日記に記して行くぜ。
結局アースクロウラーの出現した理由は謎のまま。
まるで突然何処からか湧いたかの如く、出現したようだ。
アルから聞いた話だと、アースクロウラーはこのアーネスト大陸には生息を確認されていない筈の魔物らしい。
なら何処から奴等は来たのか? 真相は闇に包まれたままである。
アースクロウラーの多数出現の影響でアルスト周辺の土地は穴ボコだらけ。
その為俺らハンターから街の大工まで連日土木作業を行った。
魔法が使えるようになったアルは土属性の魔法を使い、
穴をみるみる防いでいったので、アル坊と皆から呼ばれて可愛がられていた。
因みにアルの事だが、アースクロウラーを倒した時のような高火力の魔法はまた使えなくなってしまったらしい。
初めて呪いが解けた反動で一時的に全ての呪いの作用が弱まっていたために強い魔法が使えたのでは? とアル自身が推測していた。
それでも四属性使える魔術師は死ぬほど珍しいらしく、ギルドマスターは将来に期待してるようだ。
あ、ウィルは戦いの後にハルバードを気に入り、アースクロウラーを倒した報酬金で買い取ったようだ。
暇なときは良く外で素振りしているのを見かける。
ハルバードってあんなにブンブン振り回せる物だっけ?
次に、アースクロウラーを二体倒した俺らはランクが上がった。
俺とウィルが8、そしてアルが何と7になった。
アースクロウラーを少人数で倒せる能力持ちや魔術師ならランクがもっと上でも構わないと言われたが、それでも俺らのランクが高すぎると旅に出た際に不都合な目に合う、との事でランクを一つずつ上げて貰う事になった。
そして今日、ウィルの研修が終わり、明日、とうとうパーティーを組んで旅に出る事が決まった。
「ふー、こんなもんかな?」
『イズナ、お前意外と熱心に日記を書く人間なんだな。日記など無縁そうな人間なのにな』
タマモが意外そうに呟く。
タマモは完全に俺を馬鹿か何かだと思っている。
全く……心外だ。
「何か良く分からないけど好きなんだよなぁ。日記を書くのが。魔の森に来てから完全に習慣になったな」
『うむ。まぁ記録を残すことは悪い事では無い。特にの失敗談は後々の糧になる。精々励むことだ』
「ん、そうだな」
何だかんだアドバイスしてくれるタマモはやっぱり可愛らしいな。
声も可愛いし。
封印が解けたらさぞ可憐な少女なのだろう。
旅に出たらきっとタマモの封印の解き方のヒントも得られるだろう。
この街には残念ながら封印に関しての情報は無かったけどな。
「さて、アルストに行ってウィル達と合流して一度ギルドに向かわないといけないんだよな。何かパーティー組むときの決まり事があるみたいだし。その前に倉庫に黒装束の代わりを探さないとなー」
『お前、最近お気に入りの黒装束を着ていないではないか。一体どうした?』
最近まで街道復旧の土木作業が多かったので殆ど普通の格好をしていた。
ああいう装備はずっと力仕事するには向かないしね。
「アースクロウラーに丸飲みにされたときがあっただろう? あれで俺の魔力を吸って自動修復する機能と俺の体にサイズを合わせる機能が壊れた。つまり完全におしゃかだ」
『むぅ、あれは結構貴重な品なのにな……勿体無いな』
「ま、倉庫に黒装束の代わりくらいいくらでもあるだろ」
『コレは何か嫌な予感が……』
はっはっは、そんなわけ無いだろう。
「無い! 無い! 無ーい!」
嘘だろ! 代わりになりそうな物が全く無い! 一つだけ合ったが今は目を逸らしている。
アレだけは無い! 絶対に無い!
『もう諦めろイズナ……私の予感は良く当たる……』
「だったら街までは普通の格好で行く! そして鍛冶屋でも服屋でも見て同じようなのを買う!」
そうだ、最初からそうすれば良かったんだ!
名案、そして問題解決! やったね!
しかし、タマモは俺を絶望させる事を言う。
『諦めろ。私はあの街をお前と回り、確実にお前より周囲を見て知っている。アルストには同じものは無い! 旅に、戦闘に耐えられるのはお前が見てみぬフリをしている、そこの装備だけだ! それに今日着ないでは着心地が分からないだろう! もう覚悟してソレを着るんだ!』
「だ、だとしてもよ~これじゃあ見えちゃうだろぉ!?」
こんなこっ恥ずかしい装備を着ていたと言う母さんが信じられない。
タマモはしばらく無言になり考える。
「うむ。だったら…………」
※ユリィ視点
「イズナちゃん遅いわねぇ~アル君」
今、私達はギルドでイズナちゃんを待っている。
今日はイズナちゃんはお仕事をお休みしていて、アル君とウィルさんの二人だけがアルストで仕事をしていた。
明日、とうとうアルストを発つイズナちゃん達は今日ギルドに集まって貰い、パーティー結成の手続きと、パーティー名の決定をして貰う為だ。
「確かに約束していた時間はもう過ぎましたね。まさか、魔物と遭遇したのでしょうか?」
アル君は心配そうな顔をする。
この子、絶対にイズナちゃんを憎からず思っているな~お姉さんまるわかりよ。
「まぁ、イズナちゃんなら大丈夫でしょ」
「それはそうですね。イズナさんなら並大抵の魔物には負けませんよね」
私達がそんな話をしていると近くに座っていたウィルさんがピクリと反応する。
お、イズナちゃんが来たのかな?
ギルドの扉が開かれ、そこに立って居たのは――――――
半面である狐面の下の顔を真っ赤にさせ、あれは確かバイアロス大陸で有名な和服と言う衣装。
しかし、本来有る筈の衽(ワンピースで言えばスカート部分)が殆ど無く、超ミニスカ状態の和服を着て、その下に一分丈の黒いスパッツを穿いたイズナちゃんが恥ずかしそうに立っていた。
「良いわね。最高」
私はとりあえず親指を立てた。
※イズナイメージ
狐面の半面なんてニッチなモデルなんてねンだわ。




