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狐面は伊達じゃ無い!  作者: 遮二無二
2章 集結!二人の男!
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外伝3話 その男はどこから来たのか

【こ、こんにちはー】


 私はとりあえず敵意は無いことを伝えるため男女三人に手を振りながら挨拶をする。

 何故か身構える三人。

 しかし凄い格好してるなぁ。

 全身革の鎧を装備してるワイルドそうな男と大きな盾を持ったイケメン。

 大きな杖を持った勝ち気そうな女の子。まるでゲームや漫画の世界だ。


「貴方は何者ですか?」

「良くわからんが俺の剣を返してくれ」

「私、彼の言葉は聞いたことが無いわよ」


 や、やっぱり日本語が通じない! ど、どうしよう。とりあえず剣を丁重に返す事にしよう。

 私は剣の柄と刃の部分を両手で持って捧ぐポーズをしてみた。


【どうぞお返しします!】

「と、とりあえず返してくれるみたいだな」


 革鎧に包まれた赤っぽい髪色の男がジリジリとにじりよって来て、私が持っている剣を受け取ってくれた。


「何だか悪い奴じゃなさそうだな。言葉が通じてないみたいだけどな。おし、俺の名前はフリッツ。分かるか? フ・リ・ッ・ツ」


 目の前の男は自分を指差し名前らしき言葉を発している。

 確認の為、私は男に指を差しておうむ返しをしてみる。


【フリッツ?】

「おー! 分かってくれたみたいだぞ!」


 どうやら名前で当たりのようだ。

 フリッツは続けて他の二人の名前を指差しながら教えてくれる。


「んでこっちは『フランチェスカ』でもう一人は『アベル』だ」


 金髪青目の優しげな感じのイケメンがアベル。

 もう一人の灰色の勝ち気な瞳に茶髪の緩いパーマが掛かったロングの髪の子がフランチェスカね


【フランチェスカ、アベル】


 二人の事を指差しながら名前を言ってみる。

 そうするとフリッツはぱぁっと喜んで背中を叩いてくる。


「良いぞ! その調子だ! お前の名前はなんだ? な・ま・え!」


 私に指を差して何かを聞いている。名前かな?


【悠莉……です】

「ユーリか! わははは、どうだアベル! 俺のスペシャルなコミュニケーション能力は! 言葉が通じない相手から名前を聞きだしたぞ!」

「いや、普通に驚きましたよフリッツ」

「馬鹿は怖じけ付かないってわけね。あんたなら未開の土地でもやってけそうだわ」

「ユーリ! さっきは助かったぜ! ありがとな!」


 フリッツに手を差しのべられる。

 まさか握手だろうか? 私は手を握り返して振ってみる。

 フリッツの反応を見るにどうやら合っているようだ。

 行けるかも! ジェスチャーが通じるなら私が漫画を書けば伝えたい事が分かるかもしれない!


「フリッツ、チェスカ……後ユーリさんも一度別の場所に移動しますよ。廃城の主の刺客が現れないとも限りませんからね」


 アベルが手招きして移動を開始する。

 ついて来いという合図だろう。私は素直に三人に着いて行く。

 30分位歩いた頃だろうか? 蔦だらけで手入れの行き届いてない、人が住んで無さそうな一軒の家があった。


「丁度良いですね。ここで今日は休みましょう」


 アベルはここで休むというジェスチャーを私にしてくれた。

 私は紙とペンを探す為に部屋を回る。

 応接間のような部屋に置いてあった机の引き出しに欲しいものを見つけた。

 万年筆とインクと品質が少し悪い紙を見つける事が出来た。


 リビングらしき部屋の机に座っていたフランチェスカの前に座り、絵を描く。

 フランチェスカの似顔絵だ。

 これで先ず私は絵が上手アピールをしようと思う。

 さらっとラフを書いて5分。

 興味深そうに見ていたフランチェスカに絵を見せる。


「あらユーリ、アンタ絵がとても上手じゃないの」


 次に前世の自分の顔を描く。

 そして完成した絵をまたフランチェスカに見せる。


「ユーリ、この人は誰?」


 首を傾げるフランチェスカ。

 狙い通り誰か聞いているのだろう。私は絵と自分を交互に指を差しす。


【ユーリ! ユーリ!】

「確かに似てなくは無いけど……これ、まさかアンタなの?」


 表情と指の動きを見てみると恐らく伝わった筈だ。

 私は大きく頷く。


「嘘……いや、でも……まさか」


 ついでにもう一枚描く。

 剣や杖、簡素にゴーレムを描き、上からペケ印を描く。

 あっ、ハテナマークも書いておこう。

 どうかしら? 伝わるかな。


 ゴーレムや杖を指を差してさぁ? のポーズをする(両手を上に上げて首を傾げる)。

 ジェスチャーを交えればわかるかな?


「まさか、アンタ魔法や魔物を知らないのかしら…………変わった格好の異邦人だと思ってたけど……アンタは【稀人】?」


 っ!? 今日本語で稀人って言ったよね! 確か稀人には異界から来たた人と言う意味も含まれていたはず。

 私は首を何度も上下に振るう。


「……アベル! フリッツ! ちょっと来なさい! ユーリの正体がなんとなく分かったわよ!」





「つまり、ユーリさんはその【稀人】と言う存在なのですか?」


「【稀人】ってなんだ?俺もアベルも聞いたことが無いぞ」


「【稀人】は異世界からの来訪者よ。この世界とは違う世界があると言われていて稀に向こうに行ったり、逆にこっちの世界に来ることがあるらしいの。稀に来る人だから【稀人】……単純ね。魔法学院で噂程度に聞いていたけど実物を見るとはね」


「チェスカ、【稀人】は凄い力を持っているのですか?」


「えぇ、奇跡を起こす異界からの来訪者【稀人】が居たって昔の伝説に残ってるらしいわ」


 なんだろう?滅茶苦茶【稀人】って単語が出てくるな。

 多分フランチェスカが二人に説明しているのだろう。

 話が一段落したところでアベルが私の手を掴む。


「ユーリさん。僕達に力を貸してくれませんか」

【え?あ、はい】

「おう!ゴーレムブッ倒すユーリが仲間なら安心だぜ!」


 手を握られてびっくりした私はとりあえず頷いてしまった。

 日本人特有の取り敢えず返事をすると言う行動が私を終わりが見えぬ戦いの日々へと導くとは、この時はまだ知らなかった……

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